


JR指宿駅から車で約11分。木々が茂る自然豊かな場所にある「野の香(ののか)」は、2004年から営業をする家族温泉です。里山の風景をそのまま庭にしたようなアプローチを少し歩くと、日本家屋が見えてきます。土間のような造りの受付には振り子時計や薪ストーブがあり、どこか田舎の祖父母の家を訪れたような、懐かしく落ち着いた雰囲気です。


全8室ある貸切風呂は、すべて露天風呂付き。各部屋に内湯、外湯、脱衣所に加え、くつろげる畳3畳ほどの個室も備えています。温泉に浸かった後は、畳の上でのんびり過ごせるのも「野の香」の魅力です。
季節や天候で表情を変える、自然の恵みの湯

「温泉は大地から湧き出てくる自然なもの。そのため、夏場は透明で、冬場はうっすら白くなったり、硫黄の香りが昨日より濃かったりと、天候や季節によって表情が変わります。その恵みをそのまま楽しんでいただきたいので、循環・加熱はせず、自然のままの温泉を提供しています」そう話すのは、女将の今奈良さん。

温泉分析書に記載されている泉質は、ナトリウム-塩化物泉(等張性、弱酸性、高温泉)。源泉温度は85.5度です。湯には硫黄のほか、鉄分やカルシウムも含まれています。また、「美肌の湯」として知られるメタケイ酸も多く含まれているそうです。 実際に入浴してみると、熱すぎずぬるすぎず、ちょうどいい湯加減。

夏の訪問だったこの日は、蝉の鳴き声を聞きながら、開放感のある露天風呂にゆっくりと身を沈めました。湯はほんのり硫黄が香り、肌にしっとりとなじむようなまろやかさがあります。木々に囲まれた静かな空間で湯に身をゆだねていると、日頃の疲れも少しずつほどけていくようでした。
(※入浴した編集者個人の感想です)
個性豊かな8つの露天風呂。今回は3つを紹介

「野の香」には、趣の異なる8つの部屋があり、それぞれに個性豊かな露天風呂が設けられています。地元のヒノキや宮崎県産の紫雲石(しうんせき)など、浴槽に趣向が凝らされており、訪れるたびに違った雰囲気で温泉が楽しめます。
今回は、その中から3つの露天風呂を紹介します。
◆「恵の湯」焼酎づくりの技が生きる、木樽の浴槽

「恵の湯」の浴槽に使われているのは、本格焼酎の製造に使われる「木樽蒸留器(きだるじょうりゅうき)」です。国内唯一の木樽蒸留器職人・津留安郎さんが手がけています。節のない樹齢80年以上の杉を3年以上寝かせ、唐竹で編んだひもで丸く締めながら樽の形に仕上げる、昔ながらの技法で作られた木樽です。
「焼酎を造る樽はいくつも作ったけど、人が入る浴槽を作るなんて」と、当時そう話していたというエピソードも。杉の香りや木の温もりを感じながら、歴史ある技術に触れられる、貴重な浴槽です。
◆「響の湯」じんわりやさしい信楽焼の浴槽

「響の湯」の浴槽に使われるのは、日本を代表する焼き物のひとつ「信楽焼(しがらきやき)」。二光陶房の小谷光二さんが、約3か月かけて手がけた大型の陶器です。
大型の陶器は、製作途中でわずかに空気が入るだけでも、完成後にひびが入ってしまうことがあるそう。そのため、ひとつの浴槽を作る際には、同時に3つを製作し、その中から無事に焼き上がったものが、浴槽として使われています。陶器ならではのやわらかな肌触りと、じんわりとした温もりが魅力です。また、「艶の湯」では、深い青色の信楽焼の浴槽が使われています。
◆「山の湯」阿蘇の大地を感じる、石の浴槽

「山の湯」の浴槽に使われているのは、阿蘇山の溶岩が冷えて固まった「阿曽凝結溶岩石」。温泉と同じく、大地の恵みから生まれた石です。石の中には、溶岩が冷え固まる際にできた気泡がいくつも見られます。別名「豆腐石」とも呼ばれる、比較的軽い石で、女性でも持ち上げられるほどだそう。天然石ならではの表情と、肌に伝わる独特の感触を楽しめる浴槽です。

自然に囲まれた「野の香」では、季節や天候によって表情を変える温泉と、個性豊かな露天風呂が待っています。湯に浸かりながら自然に耳を澄ませていると、いつもの時間が少しゆっくり流れていくよう。
指宿へ出かけるときは、観光の合間に「野の香」に立ち寄り、自然の中でほっとひと息つく温泉時間を楽しんでみてください。
家族温泉 野の香
- 住所
- 鹿児島県指宿市東方834-1
- 電話番号
- 0993-22-4888
- 営業時間
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10:00〜23:00
※予約は当日の9:00から。受付は22:00で終了
- 定休日
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第1・第3・第5火曜
- 利用料金
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平日:1室1時間 2,000円(大人4名まで)
土・日曜、祝日:1室1時間 2,200円(大人4名まで)
大型連休:1室1時間 2,500円(大人4名まで)
※詳しくはホームページで確認を。 - 可能な支払い方法
- 現金・クレジットカード・電子マネー
- 駐車場
- 有
- @nonoka.onsen