鹿児島県霧島市は、異なる泉質の温泉が点在し、毎年多くの観光客や地元の人々が訪れる人気の温泉地です！
この特集では、源泉かけ流しの温泉を楽しめる魅力的な宿を厳選してご紹介します。キャンプが楽しめる宿、リゾート気分を満喫できる宿、日本の伝統美を感じられる宿など、多彩な温泉宿をピックアップ！ぜひ〝鹿児島霧島の旅〟の参考に、ゆっくりとご覧ください。

1.「霧島温泉 天テラス」柔らかな湯に包まれ、満天の星空と霧島連山の美しさに心ほぐれる宿

霧島温泉郷の中心に位置し、周辺の観光地にもアクセス便利な「霧島温泉 天テラス」。2016年のオープンから、プライベートな空間でのんびりと過ごしながら、霧島連山の壮大な景色や夜空に輝く星々を楽しめる宿として愛されてきました。お部屋は露天風呂付き18室、一般客室7室。そして、絶景を望む8つの貸切露天風呂を備えています。2024年3月に、露天風呂付き客室やレストランがリニューアルされ、さらに魅力的に！

この日訪れたのは、リニューアルオープンした新客室「おひつじ座」。露天風呂付きの洋室です。入り口から庭の露天風呂へといざなう、開放感あふれるリビングに思わず声が上がりました。柔らかな木目を基調とした室内、外の景色と調和したグリーンの壁や霧島連山をモチーフにしたインテリアも魅力的です。フロアは、裸足で過ごしたくなるほど心地いい質感でした。

庭の露天風呂は源泉かけ流し、泉質は肌に優しい単純温泉です。お湯の流れる軽やかな音や鳥のさえずりに耳をかたむけていると、固くなった頭や心がゆるゆるとほどけていきます。
各部屋に星座名がついている「天テラス」。〝夜の星空に感動しました〟とのゲストの声も多数寄せられています。ぜひ大切な人と一緒に、夜空の輝きにも目を向けてみてください。お部屋には桜島小ミカンを使った鹿児島クラフトジンのカクテルセットも用意されています。湯上り後に、バーテンダー気分で味わう一杯は格別ですよ。

霧島の雄大な自然を一望できる〝8つの貸切露天風呂〟も天テラスの魅力。こちらも源泉かけ流しで、宿泊者は何度でも利用できます。中でも人気は、深さ約140cmもある温泉水プールが付いた露天風呂。夜は青くライトアップされ、幻想的な雰囲気に変わります。チェックイン時に選んだ色浴衣や手編み籠を手に、貸切露天風呂巡りも楽しんで。

お食事は、個室風にリニューアルしたレストランで。プライベートを大切にしたお席で、気兼ねなくゆっくりといただけます。夕食は、鹿児島黒毛和牛＆鹿児島黒豚の２種すき焼き会席。食材は厳選された鹿児島県産を使用しています。朝食の焼き立てパンや近くの高千穂牧場の生乳も好評！手作りの自然な味わいを大切にしています。
また、レストランと同階には卓球やダーツなどを楽しめる「アクティブラウンジ」、4階には食事や入浴後にくつろげる、リラクゼーションスペース「Forest Gallery」も新設されています。
スタッフの丁寧な対応と細やかな心遣いも随所に感じる「天テラス」。自然との一体感を感じながら、大人が心からリラックスできるお宿です。

2.「霧島高原国民休養地」オートキャンプ・コテージ・温泉が楽しめる贅沢なレジャースポット

霧島温泉市場から車で約5分ほどの場所にある「霧島高原国民休養地」は、キャンプ場・コテージ・温泉施設が整備されているレジャースポットです。標高500ｍに位置し、その圧倒的なロケーションの中で、家族や友人たちと贅沢な時間を過ごせる場所として、県内外から多くの人が訪れています。
車で乗り入れるオートキャンプ場は広々とした敷地で、アウトドア好きにはたまらない環境。外周800ｍの第1キャンプ場には約200張りも設営可能です。周囲には桜並木があり、春はソメイヨシノや八重桜の花見を楽しむキャンパーでもにぎわいます。

キャンプ場のすぐ近くには、冷暖房やキッチン（調理道具・食器付）、寝具などをそなえたコテージが10棟あり、子ども連れやグループでの利用にお勧めです。どのコテージも天井が高く、開放感のある造りが特徴。宿泊だけでなく、日帰り利用もできます。またうれしいことに、コテージ宿泊者は敷地内にある温泉「シンフォニースパ」が何度でも利用OK！すべてのコテージでバーベキューも楽しめます。

敷地内には地元の人も通う、源泉かけ流しの温泉「シンフォニースパ」があります。泉質は肌に優しい単純泉。取材した日も常連の人たちが次々と訪れていました。男女とも、内湯と乳白色の露天風呂があります。入浴料は大人380円(小学生以上)、小人150円(小学生)。ロビーにはタオルや石けんの自動販売機も設置されています。

豊かな自然に囲まれ、温泉もあり、思い思いの過ごし方でリフレッシュできるスポット「霧島高原国民休養地」。広大な敷地内にある各施設はしっかり清掃され気持ちよく使えます。キャンプ場の芝の緑もきれいですよ。日々の疲れを癒したい、自然を満喫したいと思っているなら、この特別なスポットへ出かけてみませんか。利用料金の詳細などはHPで確認を。

3.「ラビスタ霧島ヒルズ」リゾート気分で本格的な温泉で癒される、贅沢な時間を

湯けむりがあがる霧島温泉郷の中心地、その近くにある森林の脇道を進むと、ヨーロッパの雰囲気が感じられる洋館が見えてきます。
館内に入るとラウンジにある大きなガラス窓から外の景色が広がり、まるで空に浮かんでいるような気持ちになるほど、はるか遠くまで見渡すことができます。

「ラビスタ霧島ヒルズ」は、犬と一緒に泊まることができる客室とフロアがあります。駐車場とフロントも別に設けてあるため、どのお客さんも心地よく過ごせるように配慮がされています。また、リゾートの雰囲気がある場所と和の趣がある場所がうまく調和された館内で、どちらの気分も楽しむことができるのも魅力です。

客室は、景色を見ながら温泉に浸かれる全室内風呂付。源泉は丸尾温泉で、泉質は単純温泉です。透明の湯からは、ほのかに硫黄の香りが漂います。
大浴場には、内湯、露天風呂、寝湯、シルキー風呂、ドライサウナ、ミストサウナ、岩盤浴、水風呂が。また、檜・岩・樽の３つの源泉かけ流し貸切露天風呂があり、情緒ある広々とした日本庭園を眺めながら温泉で疲れを癒すことができます。

夕食は、レストラン「ARIA SERENA」で、イタリアンの洋食フルコースをゆっくりと堪能。季節のカクテルからはじまり、オードブル、パスタ、パン、スープ、魚料理、肉料理、デザートです。肉料理は、黒毛和牛か鹿児島県産黒豚どちらかを選ぶことができます。洋食フルコースは、季節によって内容が変わるため、旬の食材でイタリアンが味わえます。朝食のバイキングは、洋食、和食と豊富なバリエーションで、口コミでも好評です。
夜食として「夜鳴きそば」が無料で提供される嬉しいサービスもあります。

夏にはプールが開放され、テラスでバーベキューも楽しめます。
館内の調度品や絵画など、ヨーロッパのテイストにこだわり落ち着いた雰囲気の「ラビスタ霧島ヒルズ」。リゾート気分で本格的な温泉に癒される、そんな贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

4.「やまのゆ 川音」天降川のせせらぎに癒やされる渓谷沿いの温泉宿

霧島の天降川上流にある新川渓谷温泉郷は、湯治場として古くから利用されている施設が多い湯の里です。緑なす山々と深い渓谷に囲まれた閑静なこの地に、新生「やまのゆ」が今年3月にオープンしました。天降川にかかる赤い橋の先には、たくさんの赤提灯（ちょうちん）が飾られたノスタルジックな雰囲気を醸し出す黒い建物。ここは元々10年以上クローズしていた温泉施設。「地域を盛り上げたい」という思いから、魅力あるこの場所で新たにオープンしました。

それぞれ異なる装飾が施された和モダンの全20室。窓からは四季折々の風景を楽しむことができます。ダブルルーム、ツインルーム、デラックスルームがあり、カップルや子ども連れ家族、女子旅、ビジネスにもお勧め。ペットと一緒に泊まれる部屋も。リノベーションによって、趣のある古さと現代風の新しさが溶け合う館内には、シアタールームや漫画コーナーなど楽しんで滞在できるような工夫も詰まっています。

湯量豊富な源泉かけ流しの温泉も自慢。良質な鉄分を含んだ熱めの湯は、療養効果も高く旅の疲れを癒やすのにもぴったりです。大自然と一体になれる露天風呂は、ここならでは。川沿いに面したワイルドな湯船は、側面の岩肌も相まって秘湯のような雰囲気で、美しい渓谷の絶景を味わえます。人目が気になる場合は、湯あみ着としてガウンを着用して入浴することもできます。男女の大浴場と露天風呂は、日替わりです。

夕食は、館内にある温泉カフェ「湯らり～な」でいただきます。東京で腕を磨いた鹿児島出身のシェフが手がける地産地消の料理を提供。メインは鹿児島県産の黒豚か黒さつま鶏を使ったしゃぶしゃぶ。黒さつま鶏をじっくり煮込んだ鶏白湯スープに、うまみを感じる肉をしゃぶしゃぶしていただくと絶品です。地産地消にこだわり、地のものをふんだんに取り入れて鹿児島らしさを感じられる料理を提供してくれます。
新川渓谷沿いの美しき自然と心地よい時間が流れる「やまのゆ」。心温まるおもてなしと絶好のロケーションに癒やされて。1泊2食付きで、日から木曜は1人10,500円、金・土曜は11,500円とリーズナブルなので連泊もぜひ。詳しくはInstagramまたは電話で確認を。

5.日当山温泉「四季の宿 明翠」四季の花々に和み、喧噪を忘れる美人湯の宿

日当山温泉は、鹿児島県内で最も古い温泉といわれています。西郷隆盛もよく訪れた温泉郷として知られ、昔から鹿児島の奥座敷として栄えてきました。現在の日当山温泉は、天降川の清流の両岸に20数軒の旅館・公衆浴場・家族湯があります。

日当山温泉の中では比較的新しい「四季の宿 明翠（めいすい）」は、鹿児島空港から車で約15分という近さ。にも関わらず、門をくぐり、路地をたどると、そこは喧噪（けんそう）を忘れさせる別世界。四季折々に野の花々が出迎えてくれ、「枝垂桜（しだれざくら）」「車輪梅（しゃりんばい）」「大手毬（おおでまり）」など部屋名に合わせた植栽が和ませてくれる9つの部屋が旅の疲れを癒やしてくれます。

情緒のある和室に、大人2人で入ってもゆったりできる大きめの内湯と2つの露天風呂が付いた一般室（2人〜4人）が6部屋、さらにサウナ付き（同）が2部屋、特別室（2人〜5人）が1部屋です。

明翠の泉質はナトリウム 炭酸水素塩泉。無色透明・無味無臭で、赤ちゃんの肌にも優しく滑らかな、いわゆる「美人の湯」です。「54℃の源泉を天然水で好みの温度に調整して浸かれます。例えば、内湯は熱めに、露天はぬるめにして、それぞれの湯を楽しむのもお勧めです。ゆっくりくつろいでもらえたらうれしいです」とほほ笑むスタッフ。

夕食は、「お食事処　茉莉花（まつりか）」で、「懐石コース」や「食べ比べコース」などを好みに合わせて。
秋の懐石料理は、食前酒、天降川産あゆ甘露煮などの前菜盛り合わせ、鱧と松茸の吸物、垂水産カンパチや秋太郎などの造り、黒酢鰤柚庵焼きなどの焼物、さつま黒豚しゃぶしゃぶなどの煮物ほか、季節の食材を惜しげなく使った贅沢な味わい。鹿児島の黒毛和牛と黒豚の食べ比べコースもぜひ。

四季の草木に癒やされ、柔らかな湯と旬の味わいで深まる秋の気配を感じながら、日常から解き放されるひととき。心まですっぴんになれる「もてなしの宿」で、大切な時間を過ごしてみませんか。

6.「妙見温泉 おりはし旅館」山と渓流に囲まれて、湯と食に浸る〝癒やしの宿〟

霧島の天降川と中津川の交わる緑豊かな地に立つ「妙見温泉 おりはし旅館」の起源は、江戸時代中期。数ある温泉の中で、その名が知られるようになったのは明治時代。西南戦争（1877年）で負傷した薩摩軍の兵士が湯治に訪れ、その傷を癒す効能を伝えたことから「キズ湯」の名で広く親しまれてきました。
現在も、おりはし旅館・別館に自噴する「キズ湯」。その泉質は、ナトリウム・カルシウム・マグネシウムを含む炭酸水素塩温泉、いわゆる重曹温泉で、体温よりやや低めの33〜35度のぬる湯が豊富に湧き出しています。

山と渓流に囲まれた約1万坪の敷地には、大正2年に建てられた本館と、13の離れ客室が立っています。木造2階建ての本館は、レトロな風情漂う大正建築。かつては宿泊施設として使用されていましたが、水害による移築を経て、現在、2階は個室の食事どころ、1階は宴会や結婚披露宴などの会場として活用されています。微妙な揺らぎのある窓ガラスや意匠を凝らした欄間など、大正浪漫を感じさせる空間には、喧噪（けんそう）とは無縁の穏やかな時が流れています。

離れ客室は、3棟の純和室と10棟の和洋室で構成。全室に内風呂と露天風呂があり、時間も人目も気にすることなく湯浴みを満喫できます。川沿いの客室では川のせせらぎが耳に心地よく、山側のお部屋では森閑とした静けさに包まれるよう。各客室では玄関や廊下のバリアフリーも施され、幅広い年代の旅人を優しく出迎えます。

7.「忘れの里 雅叙苑」紅葉を見ながら、日本の古き良き文化を体現できる宿

天降川の川沿いに温泉宿が点在する妙見温泉にひっそりとたたずむ「忘れの里 雅叙苑」。ここは〝日本人の心の原風景〟を大切にした宿で、2024年7月に「1ミシュランキー」に選ばれました。

「1ミシュランキー」は〝特別な滞在を提供する宿泊施設〟とされ、「型にはまらず、他にはない体験を提供している。サービスは常に一歩先を行き、同じ価格帯の宿泊施設より、はるかに多くのことを提案している」という基準が設けられています。

世代を越えて雅叙苑内で暮らす2羽のニワトリが自由に散策し、卵が孵化するとひよこが歩き回る可愛らしい様子が見られることもあります。晴れの日の自然の美しさはもちろん、雨の日も空気がいっそう澄みわたり、緑の色がより鮮やかに。あたりは自然の音だけが聞こえ、まさに〝清閑〟とはこのことだと気づかされます。

大地の恵み、自然と湧き出る自噴泉を贅沢に楽しめる温泉。昔よりラムネ湯と親しまれる温泉で、泉質はナトリウム・カルシウム・マグネシウム 炭酸水素塩泉。重曹成分が皮膚表面の皮脂や汚れを洗浄することから、美肌の湯といわれる泉質だそうです。鉄分を多く含む湯は、湧き出たときは透明で、空気にふれると茶褐色の湯の花が見られるといいます。
自然の恵みを暮らしとともに感じる、そんな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。