「鎮座のまんま 碧」〝食〟を通じて生みだされる、和の美しさと味わい

「鎮座のまんま 碧」〝食〟を通じて生みだされる、和の美しさと味わい
GOURMET
#姶良市
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姶良市の思川近く、青雲会病院に隣接する芝の広場に佇む「鎮座のまんま 碧(あお)」。ここでは、特別な日から日常の食事まで、〝ハレとケ〟に寄り添った料理が楽しめます。朝、昼、晩はもちろん、菓子とお茶の軽食など、〝食〟を大切にするお店です。
すべての時間帯を予約制(当日予約も可能)で営業しています。

五穀豊穣の願いが込められた藁のしめ縄をロゴにした「鎮座のまんま碧」は、和を基調とした洗練されたデザインが特徴です。紙垂をモチーフにした暖簾や建物、ゆったりと座れるよう設計された中座イス、玉串などを供える台をイメージした八足のテーブルなど、日本の伝統を重んじた造りが随所に取り入れられています。

「鎮座のまんま」は、店主の安居さんが鹿児島市内で6年間営んでいたお店です。当時は夜のコースのみでした。より多くの人に気軽に訪れてもらえるようにと、駐車場を備えた現在の場所に2023年オープンしました。
忙しい日常の中で、食事の時間を大切にしてほしいとの思いから、〝食べることの健全さ、手間をかける丁寧さ〟を重視し、料理の素材や味はもちろん、食事を通じてゆったりと過ごせる空間を提供しています。

厳選された季節の食材を使った、朝、昼、晩と軽食

▲観光客や近隣県の人にも人気の、朝メニュー「一汁三菜」1,600円(写真はイメージです)

「飯物、汁物、香の物」の一汁一菜を基本に展開されるメニューは、朝お膳、昼はお膳とコース、夜はコースで提供されます。薩摩の米蔵といわれる伊佐市の米を使用し、その他の食材も半径5km県内のものを約8割使用した、鹿児島の旬を感じられる料理です。
メニューは2ヵ月ごとに大きく変わり、その日の食材によって日替わりになることも。コースの甘味と軽食では、専属の職人によって作られる美しい菓子と芳醇な香りのお茶が楽しめます。食を通じて日本の文化を堪能できることも「鎮座のまんま 碧」の魅力の一つです。

◆それぞれのシーンに寄り添った〝食〟「昼のコース」

▲お昼のご膳「一汁五菜」1,800円(平日限定)

お昼には、日常の慌ただしい日にもホッとできる平日限定のお膳「一汁五菜」と、ゆっくり食を楽しみたいときや、お祝いや会食におすすめの「四品のコース料理」と「六品のコース料理」があります。このときのは「四品のコース料理」をいただきました。

一品目の前菜は、「鹿児島県産ハガツオのサラダ仕立て」。ハガツオは鮮度の劣化がはやいため、地産だからこそ味わえる食材です。旬は秋から冬で、このときはちょうど脂の乗った時期でした。
そのハガツオを丁寧に下処理したあと熟成させ、本来の旨みを引き出しています。カツオの臭みはまったくなく、上品な脂が舌に溶けだし、繊細な火入れから生まれる柔らかさです。ソースは醤油ベースで、爽やかな柚子の風味を感じられます。

二品目の肉料理「鹿児島県産 黒毛和牛の炭火焼き」は、腰からお尻にかけての部位である上質なランプを使用。56度の炭火で3時間半、タンパク質のアミノ酸が分解しないようにじっくりと火入れをしています。そのあと寝かせ、炭火焼で表面に焼き色をつけるという手間をかけた一品。そのため、弾力のある旨みの濃い肉を充分に堪能できます。
醤油とミルクをベースとしたソースと、添えられた野菜は栗の渋皮煮、じゃがいも、椎茸と季節が感じられるもの。メインとのバランスがよく、満足感ある一皿です。

三品目は飯物、汁物、香の物。このときはちょうど新米の時期で、土鍋で炊かれたふっくらとしたごはんを、お椀によそっていただきます。食べきれなかったごはんは、おにぎりとして持ち帰ることができる嬉しい心配りも。

紅はるか、小松菜、厚揚げ、ネギと具だくさんの味噌汁は、イリコと昆布の出汁で、やわらかな甘みとコクのある麦味噌が使われています。この日の香の物は、きんぴらごぼうとキャベツの酢あえで、しっかり噛みしめたくなる日本食の基本となる料理です。

四品目の甘味は、「菓子 さざんか」と「ぜんざい」、お茶は3種の茶葉から選べます。思わず声ができるほど美しい菓子は、白あんの生地に白あんが包まれた上品な味わいで、季節が感じられます。小豆がたっぷりのぜんざいは、北海道産の小豆と喜界島のきび砂糖を使った優しい甘さ。粉から作り、毎日焚く餅は、噛み応えがありながらも口どけが良く、どの年代のお客さんにも楽しんでもらえる配慮を感じます。

ぜんざいの上にはキャラメリーゼしたピスタチオが乗っており、口の中に香ばしさが広がります。今まで味わったぜんざいとは一味違う、新しい味わいを楽しむことができます。お茶と一緒にいただくことで、和の風情を感じながら、心も体もほっとするひとときです。

季節の果物とお茶の風味が濃いオリジナルドリンク「蘭茶」

▲蘭茶(小450円、大600円)、このときは柿を使った蘭茶

「鎮座のまんま碧」では、お茶の抽出温度と時間にもこだわり、深蒸し茶やほうじ茶などを提供しています。その中でもおすすめなのが「蘭茶」です。発酵茶を使用し、季節の果物と合わせて2次発酵させた、フルーティで華やかな甘みが特徴。
この時期は、黒烏龍茶と柿の蘭茶でした。黒烏龍茶の渋み苦みはさっぱりと、柿の香りと濃厚な甘みが絶妙に調和しています。果物に合わせて発酵茶も変わり、その蘭茶の風味を活かした飲みかたで楽しむことができます。

▲菓子が選べるメニューも楽しめます。手土産としても人気

菓子は手土産や祝い菓子として電話で注文も可能です。また、お子さんの節句には料理の相談も受け付けています。
県内の人はもちろん、海外や県外の人にも訪れてほしいお店です。鹿児島の食材を使った料理で、〝食〟を楽しむ時間をゆったりと味わいに、おでかけしてみてください。

INFORMATION

鎮座のまんま 碧

住所
鹿児島県姶良市平松2856−1
電話番号
0995-73-3397
営業時間
※当日でも事前予約を
朝:8:30〜10:30 (木金土日のみ営業)
昼:11:00〜15:00
晩:17:30〜21:30
軽食:13:00~15:00
定休日
年末年始のみ
※Instagramで確認を
可能な支払い方法
現金・クレジットカード・電子マネー
駐車場
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。
内容は2024年12月時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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