戦後80年 新たに制作したドキュメンタリー映像を、春の特別企画展で公開

2025年は戦後80年という節目の年です。戦争を実際に体験した方々の声を直接聞く機会が少なくなる中、知覧特攻平和会館では、これまでに収集された特攻関係者の証言映像を基に、新たなドキュメンタリー映像を制作しました。春の特別企画展「特攻の記憶 ~隊員と支えた人々の証言~」で上映します。
アニメーション挿入や英訳字幕入りで、次世代と世界へ伝える平和へのメッセージ
今回制作された新たなドキュメンタリー映像は、約35分にわたる内容です。ナレーションや証言者の話には全てテロップが付けられ、視覚的にもわかりやすく構成されています。
さらに、当時の様子をより具体的に伝えるために、実際の証言を基にしたアニメーションも挿入。特攻隊員たちの姿と、彼らを支えた人々の複雑な胸の内が若い世代にも伝わりやすい形で描かれています。
また、海外から訪れる人にも理解してもらえるよう英語字幕も表示しています。
春の特別企画展では、映像の内容を補完する解説パネルや、当時の貴重な資料も多数展示。私たちが受け継ぐべき〝特攻の記憶〟をより深く学ぶことができます。


●映像には特攻関係者9名の証言を紹介
特攻機の整備をした関係者1名
特攻の掩護(えんご)をした飛行戦隊員1名
特攻隊員の身の回りのお世話をしたなでしこ隊4名
知覧飛行場から出撃した経験のある元特攻隊員3名
◆展示資料から一部紹介

【筆記板】
飛行第65戦隊 園田陽一郎大尉が沖縄への地上攻撃時に身に着けていたもの。園田大尉は米軍の攻撃により被弾し沖縄島に不時着。地上にて米軍と交戦し戦死。
筆記板は米兵が戦利品として取得し、戦後に遺族のもとに返還されました。挟まれた用紙には沖縄への航路が記されています。

【女学生が書き留めた軍歌集】
昭和20年3月27日から4月18日までの23日間、知覧高等女学校の生徒が飛行場に動員されて奉仕活動に従事しました。特攻隊のお世話をした女学生は、隊員と一緒に歌った歌を「陸軍特別攻撃隊 振武隊の方々とうたわれた歌の数々」と小さな用紙に書き留めました。最初のページには「空から撃沈」が記されています。

【特攻隊の出陣式】
陸軍最前線の知覧飛行場からは、多くの特攻隊が出撃しました。その中から第69振武隊、第213振武隊、第111振武隊に焦点を当て、編成から出撃までの経過や各隊の関連資料、出撃後に機体トラブルのため不時着して生還した元隊員の証言などを通して特攻の実状に迫ります。
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●知覧特攻平和会館学芸員 八巻 聡さんからのメッセージ
戦後80年が経ち、実際に当時を知る方々から直接お話を伺うことが年々難しくなってきています。残された特攻関係者の証言映像を通して、一人でも多くの方に特攻の史実を深く知っていただきたいと願っています。
【関連イベント】学芸員による講座・ギャラリートークを開催
※参加費無料、入館料のみで参加できます。事前申し込み不要。
◆講座(学芸員が企画展の内容を詳しく解説)
日程:4月26日(土)、5月17日(土)、6月14日(土)
時間:10:30〜、14:30〜(約30分)
会場:知覧特攻平和会館 講話室
◆ギャラリートーク(学芸員が展示の見どころを紹介)
日程:5月24日(土)、6月7日(土)、7月5日(土)
時間:10:30〜、14:30〜(約30分)
会場:知覧特攻平和会館 企画展示室
戦争の記憶と向き合い、平和の尊さを見つめ直す貴重な機会。ぜひ家族や友人と一緒に会場に足を運んでみてください。
知覧特攻平和会館は、戦争や特攻の歴史を後世に語り継ぎ、世界の恒久平和を祈念する施設です。この地から出撃し戦死した隊員の貴重な遺書や遺品、関係資料の数々を展示・保存してあり、戦争の悲惨さや平和の尊さを学ぶことができます。周辺には戦争遺跡も多数残っています。
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