
鹿児島市の中心地・天文館近くのオフィス街にある「トマルビル」。カフェやゲストハウス、ギターやベリーダンスのスクールなどが入るシェアオフィスで、その1階にあるのが古本屋「ブックスパーチ」です。
外壁を覆うツタの緑が、築50年以上の歴史あるビルに趣を添えています。ピンクの日よけの下、青いドアのそばには本が並び、店内に足を踏み入れると、本が所狭しと積まれた空間が広がります。本の壁に囲まれた小さなカウンターの前には、店主の諏訪田さんが静かに座っていました。


諏訪田さんはこのお店を始める前は、新刊書店で働いていました。
知り合いから「面白い古本屋がある」と教えてもらったことがきっかけでその店に通うようになり、次第に古本の世界に魅了されていったといいます。そこから、その古本屋の一角で読書会を開くようになり、その活動に「ブックスパーチ」と名付けました。
堅苦しく小難しい印象を持たれやすい読書会のイメージを変えたいという気持ちから、鳥が止まる「パーチ(=止まり木)」という言葉を使い、本を持ち寄り、ゆっくりとおしゃべりする気軽で自由な場という思いを名前に込められています。

新刊と古書が並ぶ、本との出会いが楽しい充実の空間に

読書会の名前だった「ブックスパーチ」をそのまま店名にして、2018年にオープン。店内には主に、買い取った古本や、鹿児島古書籍商組合で仕入れた本が並んでいます。最初はおよそ1000冊からのスタートでしたが、今では本棚には収まらないくらいの本が。縦に積まれる本や、ジャンル分けされていない棚の雑多で自由な配置が、ジャンルの垣根を越えて、タイトルから直感的に手を伸ばすような偶然の出会いを生み出しています。


「ブックスパーチ」のもうひとつの魅力は、諏訪田さんがセレクトした新刊が並んでいること。新刊の棚を眺めていると、初めて見る出版社の本に惹かれ、思わず諏訪田さんに話しかけたくなることも。そこから、本の話に花が咲く、そんな一幕も、小さな個人書店ならではの面白さです。


本の読み方が変わる、視野が広がる「読書会」という楽しみ方
「ブックスパーチ」では、オープン前から続く読書会を、現在は「かごどく」という名前で月に一度開催しています。開催のお知らせは、公式LINE、Instagram、Xで発信され、すぐに満席になるほどの人気です。

読書会は、事前に課題本を読んで感想を語り合う「課題型」と、お気に入りの本を持ち寄って紹介し合う「紹介型」の2つで開催しています。
「課題型」はジャンルを問わず本を読む機会が生まれ、「紹介型」は普段手に取らないジャンルの本との出会いが生まれます。どちらも、自分だけで読むのとは違い、考えを言葉にして人と共有する面白さがあります。本への理解が深まり、視野が広がる、そんな体験ができるのが読書会です。
参加する人たちは、読書を通して自身とは違うあらたな視点を楽しんでいます。初めて参加される人にもあたたかく迎えてくれるため、気になる人は、ぜひチェックしてみて。人気のため公式LINEがおすすめです。

「ブックスパーチ」の奥にはランチとカフェが楽しめる「Sui」があり、気になった本を手に取って、そこで読むこともできます。
本を読むことをもっと自由に、面白く。そんな時間が過ごせる「ブックスパーチ」にぜひ足を運んでみてください。
古本屋ブックスパーチ
- 住所
- 鹿児島県鹿児島市泉町1−8 トマルビル
- 電話番号
- 050-3698-9921
- 営業時間
-
12:00~18:00
※出張買取やイベント出店などで不在の場合もあるため、営業予定はHPで確認を
- 定休日
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水・木曜
※出張買取やイベント出店などで不在の場合もあるため、営業予定はHPで確認を - 可能な支払い方法
- 現金・クレジットカード・電子マネー
- 駐車場
- 無
- Instagram/ブックスパーチ
- @books_perch
- Instagram/かごどく
- @kago_doku