田園にたたずむかき氷店「わたぼうし」



鹿児島市街地から車で約1時間。薩摩川内市入来町の日之丸地区、田園と木々に囲まれたのどかな場所に、夏季限定でオープンするかき氷専門店「わたぼうし」があります。店主である谷さんの〝かき氷愛〟から、2023年に誕生したこのお店には、県内外から多くのかき氷ファンが訪れます。
入り口は建物の裏手。大通りから小道に入って、看板や案内表示を頼りに進むと見えてきます。
たんぽぽの綿毛のような氷に自家製シロップをかけた、こだわりのかき氷

「わたぼうし」のかき氷は、たんぽぽの綿毛のようにふわふわと丸く、美しく仕上げられているのが特徴。削る刃の状態や氷の温度などを調整することで、繊細な口どけが生まれます。使っているのは、鹿児島市にある「柳川氷室」の純氷。提供の直前に少し汗をかかせてから薄く削ることで、口に入れた瞬間にふわりと溶け、頭が痛くなりにくいやさしい食感にしています。
「機械や氷の状態、気温に合わせて、毎日調整が必要なんです。いい刃で削ると、音からして違うんですよ」と笑顔で語る姿から、かき氷への愛情が伝わってきます。
主役となるのは、自家製ミルクシロップを使ったかき氷。牛乳ときび糖を煮詰めて作るシロップは、まろやかでコクがありつつ、後味はすっきりと軽やか。季節の果実を使ったシロップもすべて手作りで、ミルクとの相性も絶妙です。また、氷の中に忍ばせてある具材も魅力のひとつ。飽きることなく、最後の一口まで味わえますよ。
◆自家製のミルクシロップを堪能「オレのミルク」

ミルクかき氷が特に好きな店主が届ける「オレのミルク」。自家製ミルクシロップをたっぷりかけた氷に、ホイップクリームとクッキーをトッピング。中には手作りのミルクプリンが入っています。オープン当初からの看板メニューで、大人から子どもまで人気のかき氷です。
◆金柑×ミルクシロップ「きんかん香るミルク」

地元・入来町の金柑を使った特製シロップと、ミルクシロップを合わせたかき氷。金柑の甘露煮が丸ごと1粒トッピングされています。中にはナッツと白あんが入っていて、香ばしさと優しい甘み、異なる食感がアクセントに。金柑特有のほろ苦さが加わり、少しオトナな味わいに仕上がっています。
◆抹茶×ミルクシロップ「濃厚抹茶とちまきのハーモニー」

濃厚な抹茶シロップとミルクシロップをかけた氷に、抹茶あんやきな粉、黒蜜を重ねた、和のかき氷。鹿児島の家庭で昔から作られる郷土菓子「ちまき(あくまき)」がトッピングされたユニークさも魅力です。中にはさっぱりとしたみかんが入っていて、抹茶の苦みとみかんの甘酸っぱさが見事に調和しています。
◆選べる3種のシロップやトッピング「日の丸弁当」

2025年から提供されている「日の丸弁当」は、2段重ねの弁当箱でインパクトのある新商品です。上段には、ご飯に見立てたかき氷が敷き詰められ、中には寒天や大納言かのこ豆が隠れています。

下段には選べる3種のシロップやトッピングに加えて、塩みのあるお菓子が。シロップは、定番のミルクやいちご、抹茶に加えて、梅や甘夏など8種類。トッピングには生クリームとあんこがあります。
この日は、さっぱりとした酸味が爽やかな「甘夏」、やさしい桜風味のシロップに桜のゼリーが添えられた「さくらミルク」、「抹茶」をチョイスしました。シロップは、氷に豪快にかけても、スプーンでひとさじずつかけてもOK。好みに合わせて自由なスタイルで楽しめます。

「わたぼうし」で提供されるかき氷は、季節のフルーツや仕入れの状況によって日々変わります。「今日はどんな味に出会えるだろう」とワクワクしながら足を運ぶのも楽しみのひとつ。
自然に囲まれながら、丁寧に作られたかき氷をゆったりと楽しむ時間は、きっと心に残るひとときになるはずです。
わたぼうし
- 住所
- 鹿児島県薩摩川内市入来町浦之名2306−1
- 営業時間
- 11:00~15:00(受付終了)
- 営業日
-
金・土・日曜、祝日
※詳しくはInstagramからチェックして - 可能な支払い方法
- 現金・クレジットカード・電子マネー
- 駐車場
- 有(店舗裏6台、臨時駐車場有)
- @328wataboushi
- LINE
- 🍧わたぼうし🍧