「クレインパークいずみ」出水の街とツルの魅力がまるごと学べる博物館

「クレインパークいずみ」出水の街とツルの魅力がまるごと学べる博物館
TRIP
#出⽔市
#学ぶ #教育 #体験 #家族・子ども

絵本やキッズスペース、企画展など、気軽に利用できる施設

▲駐車場までの道には、羽ばたくツルの銅像が
▲花公園内にあるツリーハウス

ツルの渡来地として知られる出水市ツル観察センターから車で約20分の場所にあるのが、「出水市ツル博物館クレインパークいずみ」(以下、「クレインパークいずみ」)です。

▲ガンダムマンホール

遊具やツリーハウスが設置された花公園の中に建つ施設は、卵を抱く親ヅルに寄り添う子ヅルの姿をイメージして設計されています。 1995年に開館したこの施設では、ツルに関する調査研究が行われており、常設展示ではその活動や出水に渡来するツルの生態を中心に、世界のさまざまなツルについても知ることができます。

▲休憩コーナー
▲このときの企画展は「昆虫展」

館内には有料の常設展示だけでなく、無料で利用できるキッズスペースや出水平野を一望できる屋上展望所があり、企画展の開催もされています。県外からの観光客はもちろん、地元の人々や親子連れにとっても憩いの場となっています。

▲絵本が読めるスペースや塗り絵ができるコーナー、自主学習できる机など

出水平野とツルの渡来について

出水には毎年10月中旬から12月頃にかけて、繁殖地であるシベリアなどの厳しい冬を避け、豊富な餌を得られる出水の地を目指してツルがやってきます。1962年に「鹿児島県ツル保護会」が発足した時は、渡来数は900羽ほどでしたが、現在では1万羽を超えるツルが確認されています。

2021年には国際的に湿地を保全する「ラムサール条約湿地」に登録されました。さらに2022年には、出水市は新潟市とともに国内で初めて「ラムサール条約湿地都市」として認証を受けています。

ツルを見る前に知っておくと、もっと楽しめる常設展示

有料の常設展示は「ひとのコーナー」「まちのコーナー」「自然のコーナー」という3つのテーマで展示されています。

◆ツルと人とのつながり「ひと」

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ツルは「千年生きる」という伝説や、一羽のパートナーと一生を添い遂げる習性から、長寿や夫婦円満の象徴とされてきました。「ひと」では、そうした背景から、贈答品や着物、折り鶴など、人々の生活や文化に深く関わってきたツルについて紹介しています。

ここでは、地元の鶴荘学園や高尾野中学校のツルクラブの生徒たちにより、長年行われている羽数調査活動も紹介しています。来館者自身も映像を見ながら羽数を数える体験ができ、3段階の難易度で挑戦ができます。思わず真剣になって数え、笑みがこぼれるほどです。
そのほか、ツルにまつわる童話をアニメで見られるコーナーや、絶滅の危機にあったアメリカシロヅルの保護に尽力したジョージ・アーチボルト氏を紹介する映像も見ることができます。

◆ツルとまちのつながり「まち」

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「まち」では、世界に生息する15種と、その中で出水に渡来する7種と1雑種を紹介しています。展示室中央の床には出水市の立体地図があり、もっとも多く渡来するナベヅルをはじめ、マナヅルが観測された場所が示されています。

▲ナベヅル
▲マナヅル

「ナベヅル」は羽が鍋底のススのように黒い色をしていることから名付けられました。世界の生息数は約1万5千羽で、そのうち約8割が出水平野で越冬します。羽が青みがかった灰色の「マナヅル」は、世界で約6,500〜7,000羽で、その半数近くが出水に渡来します。どちらのツルも、絶滅の危機にあるとされています。 出水平野で数羽しか観測されない「カナダヅル」や「クロヅル」は、世界で50万羽以上が生息すると言われ、実は「ナベヅル」や「マナヅル」の方が、世界的にははるかに貴重な存在なのだと知ることができます。

◆ツルの自然な姿を知ることができる「しぜん」

「しぜん」では、国内で「クレインパークいずみ」だけが展示している貴重な実物のナベヅルの巣を見ることができます。野生ではなかなか発見が難しいとされる巣を、そのまま運んで展示されています。

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このコーナーでは、それぞれのツルの鳴き声を聞いたり、ダンスや羽づくろいの様子を映像で見たりすることができます。また、出水平野での昼と夜の過ごし方から、ツルの生活リズムや行動パターンを知ることができます。

▲常設展示を見た人で希望者にはVR体験も
▲ツル博物館やそれぞれのツルのスタンプも

常設展示の利用者は希望すると受付で、出水で過ごすツルを間近で見れるVRが体験も。「クレインパークいずみ」には、ツルを見る前に知っておくとさらに楽しめる情報が盛りだくさんです。子どもから大人まで、それぞれの視点でツルの魅力に触れることができます。観光やおでかけの際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

INFORMATION

ツル博物館 クレインパークいずみ

住所
鹿児島県出水市文化町1000
電話番号
0996-63-8915
営業時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日
4月~10月:毎週月曜(※祝日の時は翌日)
11月~3月:無休
入館料
・大人330円
・高校生、大学生 220円
・小学生、中学生 110円
※20人以上の団体割引あり
可能な支払い方法
現金・クレジットカード・電子マネー
駐車場
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。
内容は2025年09月時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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