
鹿児島中央駅から車で約30分の場所にある、創業1966年の「ふとんのまつむら」。
布団の販売はもちろん、布団のレンタルや打ち直し、カーテン、インテリアなどあらゆる相談ができるお店です。2020年からはオリジナルアパレル商品の販売もスタートし、SNSでの発信をきっかけに、全国の人とのつながりも広がっています。


数あるサービスの中でも、特に人気が高いのが「布団のレンタル」です。大型連休や年末年始には、ほとんどの布団が出払うほどの需要があります。また、結婚の際にそろえた布団や親から受け継いだ布団など、思い入れのある布団の打ち直しについても、多くの相談が寄せられています。
そんな地域のニーズに応えながら、街のふとん屋さんならではの取り組みを続けている「ふとんのまつむら」。本記事では、実際の工場風景や布団づくりに向き合うスタッフの姿を通して、綿布団の魅力について紹介していきます。
「ふとんのまつむら」が大切にしている思いとは

「布団に使う綿の品質も工場での工程も、お客さんに見えづらいからこそ正直に」この思いを大切にしているのが、2代目で現・代表取締役の松村恵一郎さんです。
「持ち込まれた布団の現状を正直に伝え、お客さんの思いを汲んで最善の方法を提案しています」と、その姿勢を語るのは息子で3代目の憲男(のりお)さん。職人の技術を守りながら、一人ひとりのお客さんの布団に日々向き合っています。

「ふとんのまつむら」の布団は、使い古されるたびに捨てられていく使い捨ての布団とはまったく異なる考えで作られています。〝洗い、直し、長く使い続ける〟そこには暮らしと環境を大切にする、日本人が長年培ってきた知恵が息づいています。
職人の手で一枚ずつ仕立てる綿布団

手づくりの綿布団は、ふかふかとした寝心地が魅力です。一枚一枚、綿を手作業で重ね、空気の層を含ませながら仕立てることで、柔らかさと通気性が生まれます。
人は眠っているあいだにたっぷり汗をかくといわれています。綿布団はその汗を吸い取り、空気を含みながら湿度を調整してくれます。天日に干せば、吸い込んだ水分が日光によって放たれ、ふっくらとした感触がよみがえります。こうした布団の特性を生み出すために、受け継いだ工程を大切に守りながら仕立てています。










敷布団の中央と端では、横になったときにかかる体圧が異なります。そのため、綿の量やバランスを調整することで、快適な寝心地が生まれます。
一見すると簡単そうに見える作業も、習得には長い年月が必要です。40年以上この工程を手がけてきた職人から受け継いだ技を、現在は3人の女性スタッフが守り続けています。
布団を長く愛用できる綿布団の打ち直しと羽毛布団のリフォーム

長く使い続けることで綿の弾力がなくなった布団は、綿の打ち直しをすれば、ふわふわと柔らかさを取り戻します。
打ち直しとは、綿布団や羽毛布団などを一度解体し、中綿をほぐしてゴミや塵を取り除き、洗浄・乾燥・綿の補充を行ったうえで、側生地に充填し仕立て直す工程です。もっと柔らかく、あるいは硬めに、と好みに合わせて調整できるのも、綿布団ならではの魅力です。
中の綿や状態にもよりますが、和風シングル敷ふとんで9,500円(税別)~打ち直しができます。


生活環境の変化に合わせて、布団を座布団やベビー布団、こたつ布団、クッションなどへサイズや形を変えてリメイクすることもお勧めです。
もちろん「側生地だけを替えたい」「においが気になる」など、布団に関するささいな困りごとにも対応しています。

布団の打ち直しの魅力は、持ち込んだ布団の綿の状態に合わせて新しい綿をブレンドし、ふんわりとした心地よさを取り戻せることです。羽毛布団も、買い替えるだけでなくリフォームして長く使える時代になりました。まずは気軽に相談してみてください。さらに、クリーニングや打ち直しを依頼すると、無料で布団をレンタルできるサービスもあり安心です。
来客・帰省時に便利な「布団のレンタル」


来客や帰省のときに頼りになるのが「布団のレンタル」。セット内容は季節に応じて、敷布団・掛け布団・枕で、いずれもシーツやカバーが付いてきます。レンタルに使われる和風敷布団は、すべて同店で仕立てた布団です。「まつむらさんの布団は安心して眠れる」と評判で、その体験からリピーターも多くいます。
レンタルなら使い終わったら返却するだけと大きな収納スペースがいらないのも魅力です。


料金はシングルセットで1泊 3,000円(税別)~と、この品質でこの価格。店舗から50km圏内なら自社スタッフが配達し、希望時間内で柔軟に対応してくれる点も人気の理由です。敷布団だけ、羽毛だけ、と単品でのレンタルもできます。
予約は電話やネットで可能で、支払いは振込みやPayPay、配達時の代金引換も対応しています。
睡眠への思いを込めたオリジナルアパレル

取材時、スタッフが着ていたのは「睡眠は健康の一丁目」と書かれたユニフォーム。〝一丁目=物事の最初・基本・出発点〟という比喩を使った格言で、思わずクスっと笑えると同時に、共感できる内容です。



このほか、「ビールノンデネール」や「良食良寝(よくたべてよくねる)」など、遊び心あふれる言葉をあしらったバッグやクッション、Tシャツも展開しています。
アパレル商品はInstagramで紹介され、全国や若い世代の人々にも徐々に広がり、「ふとんのまつむら」を身近に感じてもらうきっかけになっています。


時代の変化に合わせて新しいサービスや工夫を取り入れつつも、布団作りの職人技や快適な眠りのための技術を大切に守り続ける「ふとんのまつむら」。
長く使うことで生まれる愛着は、ただの寝具以上の安心感となり、日々の暮らしに寄り添います。そんな布団で、心地よい睡眠を体験してみてはいかがでしょうか。
ふとんのまつむら
- 住所
- 鹿児島県鹿児島市下福元町7629−1
- 電話番号
- 0120-613-800
- 営業時間
- 8:30~18:00
- 定休日
- 日曜
- 可能な支払い方法
- 現金・クレジットカード・電子マネー
- 駐車場
- 有
- @futonnomatsumura