鹿児島市役所の前にある、みなと大通り公園から名山町へ、広馬場通り沿いのビルの一階に「トキノフネ」が見えてきます。
過去から未来にかけて長く使われるモノを船が時間を旅しながら運ぶイメージでつけられた「トキノフネ」には、さまざまな地域や国の手仕事や、古道具がそろいます。実際に使って〝いいな〟と思ったモノはもちろん、長く愛用してほしいモノ、長く愛用されたモノをセレクト。1点1点への思いや作り手のことを知ってもらいたいと、解説や紹介パネルが一緒に添えられています。
ラオスの暮らしを、手仕事ブランド「SAN」
このときは、ラオスの手仕事ブランド「SAN」のバッグや布が。「SAN」はラオスの人が暮らしで使う、手仕事のモノを日本で紹介したいと、ひとりの日本人女性が立ち上げたブランドです。手で作ることでうまれるそれぞれの個性と、使い込むほどに馴染んでいく、味わいのあるモノばかり。
種から育てた無農薬の綿を使い、糸づくりから縫製まですべて手作業で作るルー族の布です。しっかりと編まれた布は、使えば使うほど糸がほどよく馴染み、綿本来のふわふわのやわらかさに。タオルや風呂敷など、さまざまなサイズがあります。
ラオスのカム族は、葛の茎から繊維をとり、乾燥させ撚りをかけて作る糸を使って漁網を作ります。この漁網の編みかたを活かしてつくられた「葛ショルダーバック」は、たくさん入れても重さに耐えられ丈夫。シンプルで、ちょっとしたおでかけにも使いやすいデザインのバッグです。
さまざまな地域で活動する陶芸家や硝子工藝の器
このときは、秋田の窯元「中嶋窯」の押し紋や土で描かれた模様が温かな風合いの、土瓶や長方皿など、多く並んでいました。
その他にも、鹿児島の「野はら屋」佐々木かおりさんの桜島や霧島などの灰や土で作る力強い器や、福岡県うきは市の「李椿窯」(リチュン窯)高木剛さんの中国茶で使われる小さな急須「茶壺」(ちゃふう)、「石川硝子工藝舎」のはちみち色が美しいコップや鉢も。
国や年代を越えて、今でも使える古道具
レジカウンター近くに飾られた古道具は、フランスのアンティーク雑貨や、100年前のルーマニアの器など、なるべく今でも使えるモノを置いています。
店内のところどころにも、静岡にあったパン屋で使われていた木箱や、ネパールでチャパティを作るときに使われていた木製の台などがあります。店内にある古道具を見つけては「これは何」と好奇心を持つ楽しさも。どの道具についても、一つ一つ丁寧に教えてくれるため、その時代や暮らしを感じることができます。
土曜と日曜の週2回の営業で、来るたびに少しでも違うモノを感じてもらえるように工夫している「トキノフネ」では、2ヵ月に1回イベントを開催するなどをしています。
穏やかな時間が流れる空間で、暮らしや時代を感じてみて。
トキノフネ
- 住所
- 鹿児島市名山町5-16 高峰ビル1F
- 電話番号
- 099-295-3687
- 営業時間
- 10:00~18:00
- 定休日
-
月・火・水・木・金曜
※変動もあるため、Instagramで確認をお勧め
- 可能な支払い方法
- 現金・クレジットカード・電子マネー
- 駐車場
- 無
- @tokinofune