鹿児島市街地から伊集院方面に車で約45分。陶芸家や作家が集まる町、東市来町美山にたたずむ「ガラス工房 Well hands.」は2005年6月2日にオープンし、ギャラリーと工房が併設されています。
作品を手がけているのは、ガラス作家の井手江里子さん。ご主人と二人三脚でギャラリーと工房をいとなんでいます。
学生時代の沖縄旅行で見た手作りのガラスにひとめぼれしたという井手さんが、特に好きなガラスの姿は〝溶けている〟とき。オレンジ色に発光している様子や、普段は冷たくかたいイメージのガラスが、熱くて水あめのようにやわらかくなる様子が魅力的だといいます。
繊細な模様と組み合わせが魅力のレースガラスを使ったオブジェ
OLとして3年ほど働いた後に、仕事を辞めてガラス工芸の専門学校に進学。そのときにレースガラスに出会いました。
当時の先生が日本のレースガラスの第一人者で、本でしか見たことがない技術が学べることに感動したそう。そこから、レースガラスの魅力にどんどん引き込まれたといいます。
レースガラスは、もともとイタリアの技法。色のついたガラスを練り上げた棒ガラスを使って、らせんのような模様を作ります。
その魅力は、なんといっても繊細な模様と、組み合わせ次第で変わる表情。コップや器を平面的な模様で飾ることが多いですが、井手さんは立体的に重ね合わせることで無限の魅力を引き出しています。
使って楽しく、見て美しい。普段使い可能なガラス作品がならぶギャラリー
大きな窓から日差しが差し込むギャラリー。井手さんが作った一点もののオブジェのほか、暮らしの中で使いたい、食器やアクセサリー、ペーパーウェイトなど、さまざまな作品がならびます。
◆ひびのような模様が特徴の「クラックカラーグラス」
オープン当初からの定番の作品は、「クラックカラーグラス」。ひびのようなクラック模様がはいったカラーグラスです。
形が少しずつ異なっていて、手作りのあたたかみが感じられます。
◆食事が楽しくなる「よつばシリーズ」の小鉢
底を覗くとよつばが見える「よつばシリーズ」の、遊び心あるかわいらしい小鉢です。同じく「よつばシリーズ」のグラスもあります。
ガラスがきれいに見えること、使う人が楽しく使えることを大切にしているのが伝わる作品です。
そのほか、食器や花瓶、アクセサリー、ペーパーウェイトなどバリエーション豊かな作品がならびます。
タイミングがよければ工房見学も。1200度の窯の熱気と、職人の技法をぜひ体感して
作業をしているタイミングなら、工房の見学もできます。
きらきらとしたガラスの作品がならぶギャラリーを通った先にある工房。中に入ると、空気が一気に熱くなります。
手作りの窯の中は、1200度と高温。その中で透明なガラスが10カ月もの間、常に溶かされています。
不純物が混ざると変色してしまうので、ガラスの管理には気をつかっています。こうして、透明度の高い、美しいガラスに。
今回は、オープンからの定番商品「クラックカラーグラス」の作成の様子を見学させてもらいました。
【STEP1】色をつける
【STEP2】グラスの形を整え、模様をいれる
【STEP3】仕上げをする
夏には「美山風鈴」、冬にはクリスマスツリー用のオーナメントなど、季節に合わせた作品もならびます。
〝ガラスにひとめぼれした作家〟がつくる、ガラスの魅力を最大限に引き出した作品の数々を、ぜひ、手に取ってみてください。
取扱店舗
・島津薩摩切子ギャラリーショップ 磯工芸館
住所:鹿児島市吉野町9688-24
ガラス工房 Well hands.
- 住所
- 日置市東市来町美山1262‐8
- 電話番号
- 099-274-0814
- 営業時間
- 11:00~17:00
- 定休日
- 水・木曜(祝日は営業)
- 可能な支払い方法
- 現金・クレジットカード・電子マネー
- 駐車場
- 有
- @wellhands
- ガラス工房 Well hands. (ウェルハンズ。)