鹿児島県薩摩半島の南部に位置する南九州市川辺町。山々に囲まれ、町内を南北に万之瀬川がゆったりと流れる水の郷です。廃校舎をリノベーションした施設「TANOKAMI STATION」内の小さなビール醸造所「SANKAKU BEER WORKS」は、2023年6月に醸造を開始。地域とともに成長するクラフトビールづくりを目指し、地元生産者と協力しながら個性あふれるビールを展開しています。
ビールにとって大切な原料である水。醸造に使う水は、環境省の「名水百選」にも選ばれる清水地区の「清水の湧水」です。シラス台地から湧き出すミネラル豊富でまろやかながら、キレを感じる水なのだそう。ここのビールは、すべて湧き水仕込みで、非加熱・非ろ過製法。生きた酵母が生み出すビール特有の香りと味わいを楽しめます。
ホップの苦味と華やかさ、麦芽の香ばしさのバランスの良い「Jadd-IPA」に、ライトな喉越しで香り豊かなペールエール「Yadd-Golden ALE」、柑橘系のフレッシュなサワービール「Moze-Sour」、バナナのフルーティーな香りのヴァイツェン「Tiida-Hazy」の4種が定番のラインアップ。自らも料理人として腕を振るう醸造責任者の林賢太さんが〝食事に合うビール〟に仕上げています。
奇をてらったプロダクトに見えますが、どれも丁寧で繊細な醸造を感じさせ、個性がありつつも飲みやすいビールばかりです。
新鮮出来立てのビールを
ブルワリーにはタップルーム&ボトルショップが併設。ガラス越しに醸造タンクを眺めながら、造り立てのビールを常時数種類味わうことができます。来店の際に、運が良ければ醸造中の様子を見られることも。
日々変化するタップリストの中から、この日勧めてもらったのは、醸造開始から7バッチ目が仕上がったばかりだという「JADD-IPA」。夏仕様のIPAで、スムースな苦みとともに、シトラス系のアロマが強調されたヘイジーよりの仕上がり。それでいてライトボディで飲みやすく、夏の暑さでほてった体を冷やすのにぴったりです。
季節によってレシピを変えながら醸造し、仕込みごとの変化が出てくるのもクラフトビールならでは。変わる味わいを個性と捉え、楽しんでみては。
ブルワリー限定商品やグッズも手に取ってみて
これまでワイナリーやシードルメーカー、地元の農家や生産者らともコミュニケーションを重ねて、さまざまな素材を使ったコラボレーションビールも生み出してきました。小さな醸造所から人と地域をつないでいます。
ボトルショップでは、限定品も多数取り扱い。ビールが苦手な人も自分に合ったビールを見つけられるはずです。こちらでは4本で200円オフ、6本で500円オフとお得に購入できます。お酒好きの家族や友人への贈り物にもぜひ。
ビールの原料になるモルトが入っていた袋をアップサイクルしたバッグやポーチなどのオリジナルグッズもぜひ手に取ってみて。
県内外の飲食店でも提供され、音楽フェスやグルメイベントなどへの出店も積極的に行っています。ブルワリーでは、ビールと料理のペアリングを提案するイベントも随時企画しているのだそう。
現在は、オーソドックスな醸造設備でビールを作っていますが、さらに質を高め、可能性を広げるため、クラウドファウンディングを実施中(2024年9月まで)。今後の進化にも期待です。イベントの情報やクラウドファウンディングについては、Instagramや公式HPをチェックしてみて。
醸造所に併設するタップルームのほかにも、TANOKAMI STATION内のカフェでも提供しているのでランチタイムにも味わえます。季節感を大切にした醸造を手がけているから、いつ出かけても新しい味に出会えそうです。ぜひ足を運んでみて。
SANKAKU BEER WORKS(サンカク ビア ワークス)
- 住所
- 鹿児島県南九州市川辺町平山6978
- 電話番号
- 070-8360-1606
- 営業時間
- 11:00~17:00
- 定休日
- 木曜
- 可能な支払い方法
- 現金、クレジットカード、電子マネー
- 駐車場
- 有
- @sankakubeerworks