鹿児島市電 騎射場駅を降りてから徒歩約1分のところにある「のんびり酒場 ペンギン酒店」。暖簾をくぐると木のぬくもりを感じる店内に、お酒のボトルがずらりと並んでいます。壁にはメニューが書かれた赤枠の台紙が貼られ、一部にはつい見てまわりたくなるような格言が紛れこんでいるなど、なにやら面白そうなお店です。

「ペンギン酒店」の魅力はお酒以外にも、ノンアルコールやソフトドリンクが充実していること。そのため、お酒が飲めない人、お子さんのいる家族、ご飯だけを楽しみたい人など、さまざまなお客さんが訪れる居酒屋です。

「ペンギンは好奇心旺盛。警戒心があまりないからか人懐っこく見えるんです。それがなんだか楽しそうで。だからここも楽しむことが好きな人たちが集まる店にしたい」と店名の由来を話してくれたのが店主のろくちゃん（愛称）です。
料理やドリンクはカウンターにあるメニューを見ながら決め、店内に並ぶボトルや冷蔵庫から飲みたいお酒を探してカウンターで渡します。

カウンターにあるメニューには、「自分たちで中身を選ぶ料理コース」（2,500円～）や「おひとり様のために作った 料理コース」（2,500円）、すべて500円の「ワンコインおつまみ」、その日おすすめの「今日の書き忘れメニュー」などがびっしりと。ユニークなネーミングのメニューが多く、“これは何ですか”と自然と会話がうまれます。

どれを飲もうかと迷ったときは！「3種類の飲み比べ」がおすすめ

お酒は、ラム・ジン・日本酒・赤ワイン・白ワイン・焼酎・ウィスキー・果実酒など、さまざまなジャンルがそろっています。各ボトルには、1杯の値段とそのお酒の特徴が書いてあり、読みながらじっくり探すのも楽しい時間です。

飲みたいお酒がいくつか決まって迷ったときにおすすめなのが、「3種類の飲み比べ」（1,500円〜）。
選んだお酒のジャンルのなかから、飲み比べすることができます。このときは、40種類以上あるジンの中から選んでみました。

山梨の蒸留所で作られる「AMRTA GIN（アムリタ ジン）」は、カルダモンの清涼感があるさわやかなジンです。
ベトナムホーチミンで製造される「SAIGON BAIGUR Premium Dry Gin（サイゴン バイガー プレミアムドライ・ジン）」は、ベトナムを象徴するボタニカルを中心に蒸留したジンで、フローラルな香りでさっぱりとしています。
19世紀の味わいを復刻した「HAYMAN’S OLD TOM GIN（ヘイマン オールドトム ジン）」は、優しい香りで甘みを感じます。

高いお酒を1本買うのは勇気がいるから、「ペンギン酒店」で飲み比べをしてお気に入りの1本を見つけるのもいいですね。

ビールやレモンサワーも豊富！どれも飲んでみたくなるドリンクメニュー

ビールは、キリンハートランド「生ビール」（700円）、生ビールとフルーツジュースを半々に割った「特製フルーツビール」（800円）、クラフトビールがあります。
「特製フルーツビール」は、マンゴー、ラフランス、ゴールデンパイン、レモン、リモンチェッロ、ライムの中から選べます。

このときはラフランスを。
ハートランドビールのおだやかな苦味とすっきりとした味わいに、まろやかなラフランスの甘みが抜群に合う組み合わせ。ジュースで割ることでアルコール度数が下がるため、甘めのお酒が飲みたい人、すっきり飲みたい人におすすめ。

レモンサワーにも、気になるメニューが！
「まるごと瀬戸内生レモンサワー」（プレーン／700円、ジンジャー／800円、山椒／800円）や、高価なお酒で作る「プレミアムまるごと瀬戸内生レモンサワー」（1,500円）、「ウルトラプレミアムまるごと瀬戸内生レモンサワー」（3,000円）があります。
いつかは飲んでみたいレモンサワーです。

コースでも、単品でも！充実のおつまみの中から一部紹介

▲「おひとり様のために作った 軽めのおつまみ5種盛」（1,200円）

▲「にんじんのカラムーチョラペ」

▲「いぶりがっことクリームチーズ」

▲「水餃子」ネギかパクチーが選べます

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少しずつ味わえる「おひとり様のために作った 軽めのおつまみ5種盛」（1,200円）では、「ワンコインおつまみ」の中から5つ選べます。
このときは、ポリポリ食感がたまらない「いぶりがっことクリームチーズ」、クミンの香りがアクセントの「にんじんのカラムーチョラペ」、ぷるんぷるんで温かな「水餃子」、「ホタルイカの八代亜紀風」、「思てたんと違うレバニラ」にしました。

◆つい2度見してしまうネーミング「ホタルイカの八代亜紀風」

「ホタルイカの八代亜紀風」を注文すると、八代亜紀さんの舟唄が店内に流れだし、ホタルイカとガスバーナーを持ったスタッフが。
“♪～お酒はぬるめの燗がいい～肴はあぶったイカでいい～♪”の音楽とともに、目の前でホタルイカをガスバーナーで炙りだします。これには思わず驚きと笑いが。あぶられた香ばしいホタルイカはお酒の肴に最高です。ここでしかない演出を、香ばしいホタルイカとお酒とともに、ぜひ味わってみて。

◆レバーが苦手なろくちゃんが作る「思てたんと違うレバニラ」

低温調理をしている鶏レバーを、生ニラ醤油に漬け込んで作る「思てたんと違うレバニラ」は、なめらかでクリーミーなレバーが絶妙です。
ろくちゃんはレバーが苦手なため、牛乳と水につけるなど下処理をしっかり行い、レバー独特の臭みを取ることを徹底し、生まれました。他のお店とは一味違うレバニラが食べられます。

世界一周で出会った料理を再現したメニュー！

「ペンギン酒店」がオープンしたのは2019年、夫婦二人三脚で始めました。そのためふたりが行った世界一周の新婚旅行の思い出や、そこで出会った料理やドリンクを再現したメニューがあります。

◆メキシコで何度も食べた、あの「豚肉のタコス」を

具材がたっぷりでプルドポークの肉汁が滴る「豚肉のタコス」。メキシコではグリーントマトで作るサルサ・ベルデを、ピーマンときゅうり、玉ねぎ、ライムなどで再現しています。フレッシュなサルサとパクチーがのった、スパイス香るジューシーなタコスです。コースの〆や、単品でも味わえます。ここに来たら食べてほしい一品です。

◆シンプルなグアテマラの「いちごスムージー」

1ヵ月ほどグアテマラのスペイン語学校に通っていたときに、毎日飲んでいたという「いちごのスムージー」。小さな町の市場で、おばちゃんが作るスムージーは、凍らせたイチゴ・砂糖・牛乳ととてもシンプルです。
それを再現するために、いろいろなイチゴを凍らせて試作。“どのイチゴで作ってもあの味が再現できない”、そんなときに見つけたのが南米産の冷凍イチゴ。飲んだ瞬間に“これ～！これ～！”と当時を思い出したといいます。
甘酸っぱいイチゴと、砂糖のほんのり甘さが癖になる味です。お子さんからも大人気の「いちごのスムージー」は、〆の一杯としてもおすすめ。

家族みんなで居酒屋を楽しむ「ペンギン酒店」の2号店「ニューサカバペンギン」

オープン当時は2歳のお子さんを、座敷で遊ばせながら夫婦でお店を切り盛りしていました。おもちゃがあり、壁の黒板でお絵描きもできるため、お客さんもお子さんのいる家族が来店するようになったといいます。

座敷スペースに限りがあるため希望に添えないことも増えたことから、キッズスペースが充実した２号店「ニューサカバペンギン」を近くにオープンしました。
2号店では飲み比べはしていませんが、1号店とほぼ同じメニューが楽しめます。授乳室やオムツ替え台、テレビやおもちゃなど、小さなお子さんも楽しめる設備が整っていて、家族みんなで楽しめる居酒屋です。

テーブルの上から動画が撮影できる網や、ボードゲーム、本も置いてあります。本の中には、ペンギン酒店のメニューのレシピが書かれたノートも！
その他にも、「ペンギン酒店 恋愛部」や「カウンターでおなやみ相談居酒屋コース」など面白い活動もしています。
楽しむことが好きな人には行ってみてほしい、おすすめの店！ぜひ、おでかけしてみて。