~時空を超えてあちこち~「脇道も楽し、大人の遠足 リターンズ」

~時空を超えてあちこち~「脇道も楽し、大人の遠足 リターンズ」
kurio

今から21年前の記憶をたどって、伊佐市の布計(ふけ)小学校跡まで
大人の遠足を楽しんできました。

「リビングかごしま」2003年10月4日号で紹介した当時の布計小学校跡の旧校舎
現在は伊佐市役所で鍵を借りて旧校舎の内部を見学できます
廊下も当時のまま

遠足当日の天気は下り坂でした。
景観色彩の先生を含めた大人の遠足隊は、総勢6人。

鹿児島中央駅西口を小型マイクロバスで出発し、
あちこち寄り道をしながら、
山奥の布計小学校跡を目指したのでした。

初めに、大口酒造第二蒸溜所へ

今回の大人の遠足の主目的は、「令和5年度全国みどりの工場大賞」の最高賞に輝いた伊佐市菱刈田中にある大口酒造第二蒸溜所を訪ねることでした。

大口酒造といえば、黒伊佐錦などの銘柄が全国の本格芋焼酎ファンに愛されています。
伊佐市になる前の大口市と菱刈町にあった11の焼酎蔵が1つになってできた焼酎蔵です。

周囲の景観に配慮し、みどりの工場大賞に輝いた第二蒸溜所

大口酒造は県内産のサツマイモ、国産米、ここで採取した地下水を原料に、まろやかな口当たりの本格焼酎を造っています。
第二蒸溜所をここに建てるまでには、伊佐地域のいろいろな場所を調査したと聞きました。水質の優れた地下水が豊富に得られることから、この地を選んだそうです。

伊佐伝承館 永禄の大窓からの眺め
神渡専務(※現社長)と上田製造本部長が案内してくださいました

蒸溜所見学の前に、伝承館にある大型スクリーンで蔵の歴史や作業の流れを学びました。
上映が終わり、スクリーンが上がると見える景色が、大窓からのこの眺望。まさにあたり一面みどりの原。皆で、「おおーっ」と歓声を上げてしまいました。

見学の後は、試飲とショップでのお土産タイム。
どの銘柄にするか迷いながら、多少重くてもマイクロバスがいてくれる心強さに
1本、また1本と購入本数が増えていくのでした。

もち焼き体験もできる「もち工房カフェとどろき庵」

続いて訪ねたのは、伊佐米を生産する轟木高昭さんが納屋付きの古民家をリノベして開いた「もち工房カフェとどろき庵」。取り壊される予定だったご近所の古民家を購入し、いとこと2人で、もち工房兼カフェに改修。

伊佐らしさを味わえるカフェメニューは、そば・うどん・じびえぞうすい各700円、おにぎり150円など。黒豚定食980円もあります。
お目当ての「おもち」の部は、ぜんざい・焼きもち・揚げもち各300円、もち8個入り真空パック500円。ぜんざいに気持ちが傾きかけた隊員も、もち焼きを体験できるとあって、全員が焼きもちを注文し、小腹を満たしました。

自分たちでも体験できますが、お店の方も焼いてくれます
真空パック以外もあります(数量限定)
昭和レトロな雰囲気です

農家の納屋をリノベした隠れ家レストランでランチを

さらに、本日もう一つの目的地へ。
少し遅めのランチタイムを予約していたわれわれは、おなかペコペコ隊に変身寸前。
ようやく隠れ家レストラン「endroit cache(アンドロワ カシェ)」に到着しました。
県道421号布計山野線の石井公民館から2軒隣にあります。
日替わりランチは数に限りがあるので、予約してから出かけるのがお勧めの店です。

納屋をレストランに改装して、サービスを始めたのは、リラクゼーションサロンのオーナーでもある竹下美紀さん。レストランの横にサロンがあります。ご主人は農業をされています。

さて、この隠れ家は、納屋の天井高や梁(はり)をそのまま生かしているため、重心の低い空間になっています。油断すると頭をコツンと当ててしまいます(いや、すでに当てた後でした)。

オープンで、どこか親しみの湧くキッチン
納屋の梁をそのまま使用

予約していた料理が出来るまでの間、あちこち撮影しまくったおなかペコペコ隊。
しばし、展示されているハンドメイド雑貨や器、スワッグやランプなどで目の保養。
着席してもなお、小窓から、そぼ降る雨に煙る田園風景を眺めては、心癒されるひととき。

「なんかいいね、こんな時間。雨もまた良し、大人の遠足」。

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温かいスープにほっと和み、地元産の野菜をたっぷり使ったワンプレートランチに舌鼓。最後にドリンクまで付いて1700円。+300円でデザート付きにでき、味わう価値ありです。

ビシソワーズ風の温かいスープ
チキンのトマト煮込みとサラダのプレート

いよいよ布計小学校跡へ

鹿児島と熊本の県境へと向かう山道を川沿いにマイクロバスで上っていきます。時折車窓をたたきつけるように雨脚が強まる中、無事に到着。

校庭は一面水たまり。浅瀬を見つけながら、つま先立ちで靴に水が入らないようにして旧校舎へと進みます。
市役所で借りた鍵で玄関のガラス戸を開けて、照明のスイッチを…探してみるものの、分からず。外の自然光が頼りです

懐かしい空気が漂う木造校舎の中をしばし探索。

映画のロケ地として使われた当時のメイキング風景写真やポスター、
子どもたちの写真や手書きの校歌などに見入って、小学生に戻った気分。

「脇道も楽し、大人の遠足」を満喫したのでした。

※内容は2024年4月時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

今回訪れたお店

大口酒造第二蒸溜所「伊佐伝承館 永禄」
住所:伊佐市菱刈田中1660
電話番号:0995-26-5500
営業時間:8:30〜16:30
定休日:土・日曜

もち工房カフェとどろき庵
住所:伊佐市菱刈南浦3327
電話番号:090-2714-0618
営業時間:11:00〜15:00
定休日:不定

endroit cache(アンドロワ カシェ)
住所:伊佐市大口山野3323
電話番号:0995-23-1200
営業時間:11:00〜15:00
定休日:水・木曜(他に臨時休あり)

布計(ふけ)小学校跡
所在地:伊佐市大口山野
問い合わせ:0995-29-4113(伊佐市伊佐PR課)


2003年の記事はこちらから(情報は当時のもの)

あちこち編集者

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リビングライター。樹齢25年の古株。いつかは花が咲くんじゃないかと思い込み、あちこち情報を集める日々。

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