「草間彌生 版画の世界」愛すべき南瓜、柔らかで鮮やかな作品に元気をもらえる

「草間彌生 版画の世界」愛すべき南瓜、柔らかで鮮やかな作品に元気をもらえる
北山 育代

◆鹿児島市立美術館開館70周年記念で開催中「草間彌生 版画の世界-反復と増殖-」

草間ファンの私、鹿児島市立美術館開館70周年のメモリヤルイヤーで開催されている「草間彌生 版画の世界-反復と増殖」に行ってきました。
草間彌生は長野県松本市出身。松本市美術館は、公立美術館としては世界最大規模を誇る草間彌生の版画作品を所蔵していますが、今回はその中から厳選された約160点が展示され、その魅力と軌跡を紹介しています。

◆得体のしれない可愛さと迫力に魅せられて

ちょっと昔話から。
前衛芸術家・草間彌生を知ったのは30代半ばの頃。仕事でお世話になった制作会社から、ドキュメンタリー映画「≒(ニアイコール)草間彌生~わたし大好き~」の完成上映会を渋谷の映画館で行うとの案内をもらい、観に行ったのがきっかけでした。草間彌生の創作活動と日常を約1年半追い続けた映像には、作品に挑む鬼気迫る眼差しや人間味あふれる表情と仕草、そして、F100号(1620×1303㎜)のモノクロ作品シリーズ「愛はとこしえ」50作が完成するまでの貴重な瞬間もとらえられていました。
映像の中の草間さんは年齢不詳。あやうさを感じさせながらも、キャンバスに向かったとたん放たれる、強烈で得体のしれない迫力やその制作スピードに圧倒されました。上映後には来場していた草間さんが紹介され、間近で見るご本人は思っていた以上に小柄で穏やかな印象。映像で受けた印象との違いにもびっくりでした。ギャップを感じるほど惹かれるとはいいますが、まさにそれでファンに…。

草間ワールドの代表的なモチーフ「南瓜」(かぼちゃ)は、私も大好き。
黒網目模様で水玉模様をあしらった黄色いかぼちゃは、「愛嬌のある形」「太っ腹の飾らぬ容貌」「たくましい精神的力強さ」が描かれています。自分もこうありたいんですよ。だから、見飽きることがないのかもしれませんね。

色彩豊かな作品の他に、顔や目、植物などをモチーフにしたモノクロ作品シリーズ「愛はとこしえ」も展示されていました。ドキュメンタリー映像で、真っ白なキャンバスに下書きすることなく、黒マーカーペンでいきなり描いていく制作過程を見ていただけに、やっと間近で見れた〜と感激!

会場入り口では、ポストカードをはじめ関連グッズも多数販売されています。今回は、1000ピースのジグソーパズルとスケッチブック、クリアファイルを購入。ジグソーパズルのサイズは、73.5cm×51cm。秋の夜長を過ごすにはちょうどいいアイテム、脳への刺激を高めるべく楽しみたいと思います。

鹿児島市と松本市は文化・観光交流協定を結んでいます。「草間彌生 版画の世界-反復と増殖-」は、2022年に松本市美術館で開催された特別展「草間彌生 版画の世界」の最初の巡回先として、全国に先駆けて開催されているんですよ!
11月10日までの会期中には、トークショーやワークショップなど関連イベントも予定されているので、ぜひ出かけてみて。

「草間彌生 版画の世界-反復と増殖-」
開催期間:9/27~11/10
会場:鹿児島市立美術館
住所:鹿児島市城山町4-36
あちこち編集者

北山 育代

ikuyo kitayama

何事もマイペース。食べるのもゆっくりなので、取材中はかなりスピードアップして食べます。胃袋鍛え中!海にまつわることは大好きですが、三半規管が弱く3秒で船酔いします。

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