季節のうつろいを器にのせて「ひる膳 多宝庵」でのやさしい時間

季節のうつろいを器にのせて「ひる膳 多宝庵」でのやさしい時間
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#⽇置市
#ランチ #写真映え #和食 #生活雑貨

鹿児島中央駅から車で約30分。150年以上の歴史を持つ古民家を改装した「ひる膳 多宝庵(たほうあん)」があります。店舗の前には立派な門が構えられ、情緒あふれる佇まい。店内には、深みのある茶色の柱や梁が印象的な、重厚感のある空間が広がります。

かつて囲炉裏があった部屋はカウンター席に、奥には畳敷きの広々とした空間にテーブル席が並び、窓の外には季節を感じさせる木々や植物が見えます。
「店内の雰囲気やお膳を見て楽しんで、お客さんに喜んでもらえるように」と語るのは、演出が好きだという店主・泊さん。その言葉どおり、店内のあちこちにはかわいらしい和小物が飾られ、料理を盛る器にもこだわりが感じられます。

2013年のオープン以来、メニューは昼の「多宝庵のおまかせ膳」のみ。最初は1日20食限定でスタートしましたが、口コミで評判が広まり、今では約40食ほどを提供するようになりました。 野菜を中心とした料理は、13品以上がうつくしく並び、色とりどりの器が華やかさを添えます。目でも舌でも楽しめる、特別な昼のひとときを味わえる場所です。

月替わりの献立と器にも注目。「多宝庵のおまかせ膳」

▲「多宝庵のおまかせ膳」1,980円

「多宝庵のおまかせ膳」は予約優先で提供しています。当日でも空きがあれば利用可能ですが、売り切れ次第終了となるため、事前予約がおすすめです。
お膳は、今月の揚げ物、季節のサラダ、おまかせの小鉢いろいろ、お吸い物、ご飯、青しば海苔、飲み物、小さなおやつがセットになった月替わりの献立。旬の食材を使用し、その季節ならではの味わいが楽しめます。この日は3つのお膳に分けて提供されました。

大きなお膳には、ナス・エビ・ピーマンの天ぷら、自家製ドレッシングをかけたサラダ、茶碗蒸し、ひじきの煮物、刺身こんにゃく、お吸い物、ご飯の計7品が並び、どれもやさしい味付けで、バランスのいい組み合わせ。 訪れた人たちから特に評判なのがご飯。契約農家から仕入れる品種「あきほなみ」をガスで炊いており、つややかな炊き上がりとしっかりした甘みが特徴です。ご飯だけでも満足感があり、噛むほどに旨みを感じられました。

もうひとつのお膳には、ゴマダレの冷や麦、里芋だんご、青しば海苔の3品。なかでも「里芋だんご」はオープン当初から続く人気の定番。

蒸した里芋をつぶし、枝豆と味付きのシイタケを混ぜて団子状にしたものに、銀餡をかけ、わさびとぶぶあられを添えたかわいらしい一品です。だしの旨みとともに味わう、里芋のなめらかな舌ざわりが絶妙でした。訪れたのは梅雨時で、器には紫陽花柄の蓋付き湯のみが使われており、季節感も楽しめました。

「青しば海苔」は、広島県の「株式会社山豊」が製造する、広島菜ときゅうりの漬物が入った海苔の佃煮。シャキシャキとした食感と磯の香りが、ご飯との相性抜群でクセになる味わいです。店頭での販売も行っており、購入も可能です。

食後のおやつのお膳には、あんこときなこをのせたコーヒーゼリー、さつま芋のレモン煮、そしてコーヒーが並び、最後まで満足感のある食事となりました。

近隣の町のお店を紹介する「わざ旅まっぷ」

鹿屋市や指宿市など、遠方からも訪れる人が多い「多宝庵」。「せっかく足を運んでいただいたのなら、近くの町も一緒に楽しんでほしい」と、泊さんが作成したのが、周辺のおすすめスポットを紹介する「わざ旅まっぷ」です。マップは店頭で配布しています。

▲上下に折る構造で、マップと店舗情報の両方が一度に確認できるように

国道270号線を中心に、50軒以上のお店を紹介しており、三つ折りの工夫されたデザインで、地図とお店情報を見やすく掲載しています。

「多宝庵」の敷地内には、隣接する雑貨店「小さなしあわせ」もあります。かつてはカフェとして営業していましたが、現在は雑貨のみを取り扱っています。
日置市をはじめ、県外の作家による食器やアクセサリーなどのナチュラルな雑貨がそろい、「多宝庵」とはまた違った雰囲気が楽しめる空間です。立ち寄った際は、ぜひのぞいてみてください。

食事を満喫したあとは、「わざ旅まっぷ」を持って田園風景の中をのんびりドライブしながら、地元の雑貨店やカフェを巡ってみて。「多宝庵」の料理とともに、豊かな土地での素敵な旅を楽しんでください。

泊さんがおすすめのお店を「わざ旅まっぷ」から紹介

「多宝庵」で使われている器や和小物は、泊さんが実際に訪れ選んだもの。以下の2軒は、そんなお気に入りのお店です。旅の途中に、ぜひ立ち寄ってみて。

◆器の店「我風(がふう)」

田畑が広がるのどかな場所にある「我風」は、2007年から営業を続ける器の専門店。 店主自らが九州各地のマーケットへ足を運び、作家と直接話しながら仕入れた器が並びます。古民家を活用した店内では、訪れた人にお茶がふるまわれる、心あたたまるおもてなしも。寒さと暑さが厳しい時期はお休みします。SNSなどでの発信はしていないため、営業日については「開いていたらいいな」くらいの気持ちで訪れてみてください。 ※1~2月、7~8月は休み予定

店名:我風(がふう)
住所:日置市日吉町日置4890
電話番号:090-3015-4518
営業時間:10:00~16:00
営業日:水・木曜
※冬季(1~2月)、夏季(7~8月)は休み予定、延長もあり

◆和小物の店「心地庵(ここちあん)」

「ときどきふらりと訪れたくなる、心地よい場所でありたい」という思いが込められた「心地庵」。和布や古布を使った、手作りの小物が1000点以上展示・販売されています。作品は店主のほか、県内各地の作家によるものです。季節を感じられる和のアイテムを求めて、繰り返し訪れるファンも多いとのこと。店内にはくつろげる休憩スペースもあります。旅のひと休みに、ぜひ立ち寄ってみてください。

店名:心地庵(ここちあん)
住所:日置市日吉町日置1096
電話番号:090-7442-9580
営業時間:10:00~17:00
定休日:金・土曜

INFORMATION

ひる膳 多宝庵(たほうあん)

住所
鹿児島県日置市吹上町中原3342
電話番号
099-296-3722
営業時間
11:30~14:00
定休日
月・火曜
可能な支払い方法
現金・paypayのみ
駐車場
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。
内容は2025年06月時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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