指宿の観光スポット「薩摩伝承館」。豪華絢爛な薩摩焼や西郷隆盛ゆかりの品を鑑賞

指宿の観光スポット「薩摩伝承館」。豪華絢爛な薩摩焼や西郷隆盛ゆかりの品を鑑賞
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#指宿市
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平等院鳳凰堂を模したうつくしい建築にも注目

鹿児島県指宿市にある「白水館(はくすいかん)」は、1960年創業の伝統と格式を兼ね備えた老舗温泉旅館です。約1,000坪の「元禄風呂」や名物の砂むし温泉、四季折々の会席料理など、静寂と上質なひとときを提供しています。
その広大な敷地内にあるのが、薩摩ゆかりの美術品を集めた美術館「薩摩伝承館」。松林に囲まれた静かな環境のなかで、薩摩の歴史や美術に触れられる観光スポットです。

薩摩伝承館は2008年2月に開館しました。館内には、白水館の創業者・下竹原弘志氏と、白水館の相談役・下竹原和尚氏が60年以上にわたり収集した約3,000点のコレクションの中から、約380点を展示しています。

「ここに来れば、薩摩がわかる」をコンセプトに、幕末から明治にかけて薩摩の歴史や文化を幅広く紹介。また、日本と深い関わりを持つ中国陶磁器などが展示されており、多彩なコレクションを楽しめます。
館内に入る前には、ぜひ注目してほしいのがその建物です。「薩摩伝承館」は、京都府宇治市にある世界遺産・平等院の鳳凰堂を模して造られています。鳳凰堂は池の中島に建てられ、翼を広げた鳥のような左右対称の優美な姿が特徴です。「薩摩伝承館」も中央の本殿を中心に、レセプションやショップ機能を備えた脇殿が左右に配された造りとなっており、その美しい佇まいから平等院鳳凰堂の面影を感じることができます。

ちょっと豆知識。展示される薩摩金襴手とは

▲白薩摩に金彩や鮮やかな色彩で緻密な絵付けが施された薩摩金襴手

江戸時代末期から明治時代にかけて海外へ輸出された薩摩焼は、1867年のパリ万国博覧会などをきっかけに世界的な注目を集め、日本を代表する輸出工芸品となりました。
欧米でジャポニズムブームが広がると、より華やかな作品が求められるようになり、金彩をふんだんに用いた薩摩金襴手(さつまきんらんで)が誕生しました。

▲表面に現れる細かなひび模様「貫入(かんにゅう)」が当時、海外で高く評価されたそう


また、鹿児島で作られた素地に日本各地で絢爛豪華な絵付けを施した「京薩摩」や「横浜薩摩」も生まれ、世界へ輸出されます。「薩摩伝承館」では、こうした時代を彩った貴重な作品を見ることができます。

豪華絢爛な薩摩金襴手が展示される1階フロア

レセプションから渡り廊下を進んだ先にある本殿は、豪華絢爛な薩摩金襴手の名品を数多く展示しています。フロアに入ってまず目を引くのが、「本薩摩」をはじめ、「京薩摩」「横浜薩摩」などの作品です。

▲「錦手籬牡丹図花瓶」

「錦手籬牡丹図花瓶」は、垣根の中に牡丹をはじめ12種類の季節の花々が描かれた作品です。花瓶自体も菊をモチーフとした美しい造形で、繊細な意匠が目を引きます。

▲「和漢風俗図獅子乗大香炉」

蓋の上には、威厳のなかにもどこか愛らしさを感じる獅子の姿。三足の脚には、龍の顔が施され、華やかな意匠が目を引きます。
館内で展示されている香炉は、それぞれ獅子の表情や口の中、脚の造形などが異なります。細かな部分にも注目すると、作品ごとの個性や職人の技をより楽しめます。

▲メインホールは、将棋のタイトル戦「竜王戦」の大盤解説やコンサートの会場として利用されることも

その先にある「金襴の間」は、薩摩伝承館を象徴する空間のひとつ。ドイツのシャルロッテンブルク宮殿をイメージして造られています。ここには130点の薩摩金襴手を展示。鹿児島川辺の仏壇職人が10cm四方の金箔を約1万枚敷き詰めた壁や、十五代沈壽官氏による8枚の陶板を用いた腰壁も見どころです。

「十字の間」では、室内装飾として制作された大型作品だけでなく、多彩な小物類も展示されています。皿の裏や酒器の底にまで描かれた繊細な絵柄からは、職人たちの卓越した技術を感じることができます。

▲「花鳥人物芝山象牙箪笥」
▲貝や象牙が埋め込まれた緻密な細工

当時、薩摩金襴手と並んで人気を集めた「花鳥人物芝山象牙箪笥」が展示されています。表面には精巧な彫刻が施され、貝や象牙が埋め込まれています。その緻密な細工は、思わず見入ってしまうほど。

幕末の偉人たちから名品まで、薩摩の歴史と文化をたどる2階フロア

※2階フロアは、撮影不可です。特別に許可を経て撮影しています

※特別に許可を経て撮影しています
※特別に許可を経て撮影しています
※特別に許可を経て撮影しています

2階フロアでは、幕末から明治にかけて日本の近代化を支えた薩摩の歴史や文化を紹介しています。
「薩摩の間」には、西郷隆盛の書簡や掛軸、懐中時計をはじめ、薩摩独自で制定された勲章「薩摩琉球国勲章」などを展示。幕末から明治維新にかけて活躍した薩摩藩の足跡をたどりながら、日本を近代国家へと導いた偉人たちについて知ることができます。

※特別に許可を経て撮影しています
※特別に許可を経て撮影しています

「民窯の間」では、朝鮮陶工によって始まり、江戸時代を通して発展した黒薩摩焼などの日常使いの器を展示。華やかな輸出向けの薩摩焼とは異なる、暮らしに根差した焼き物の魅力に触れられます。また、中国陶磁器をはじめ、日本やアジアの美術品も並び、薩摩と海外とのつながりを感じることができます。

▲「透明ガラス船形鉢」※特別に許可を経て撮影しています

なかでも注目したいのが、テレビ番組の鑑定企画にも出品された「透明ガラス船形鉢」です。薩摩切子で作られた貴重な作品で、繊細な造形と美しさに目を奪われます。

▲「豆彩鶏図杯(通称:チキンカップ)」※特別に許可を経て撮影しています

さらに、中国・景徳鎮で1465年から1487年頃に作られたとされる「豆彩鶏図杯(通称:チキンカップ)」も展示。同じ作品が香港のオークションで、約37億円で落札されたことから注目を集めました。現存数が限られる貴重な名品を間近で見られるのも、薩摩伝承館ならではの魅力です。

※特別に許可を経て撮影しています

入館料:大人 1,500円 / 大学生 1,200円 / 高校生 600円 / 小中学生 300円(※企画展により異なる場合があります)。

▲セルフのコーヒーサービスが
▲工芸品の購入も

薩摩の歴史や文化、美術品の魅力を一度に楽しめる「薩摩伝承館」。館内には、地元食材を使った料理が味わえるイタリアンレストラン「Fenice」や、薩摩切子や薩摩焼を取り扱うミュージアムショップも併設されています。美術品を鑑賞したあとは、テラス席でひと息ついたり、お気に入りの工芸品を探したりするのもおすすめです。

館内では、展示品や薩摩の歴史・文化についてより深く知ることができるガイド案内も実施しています。ボランティアガイドによる案内は予約がおすすめです。指宿観光の際は、薩摩の奥深い歴史と文化に触れられる「薩摩伝承館」を訪れてみてください。

INFORMATION

薩摩伝承館

住所
鹿児島県指宿市東方12131−4
電話番号
0993-23-0211
開館時間
9:00~18:00(最終入場 17:00)
休館日
不定休
※主に水曜。指宿白水館の休館スケジュールに準ずる

【休館に伴う変則営業について】
連休(2〜3日間)となる場合、中日は終日休館となります。
● 休館の初日 9:00~13:00(午前のみ開館)
● 休館の中日 終日休館
● 休館の翌日 13:00~18:00(午後から開館)

※貸切などもあるため、公式ホームページにて確認か、事前に電話にてお問合せを
入館料
大人:1,500円
大学生:1,200円
高校生:600円
小中学生:300円
※企画展やイベントにより別途料金が発生する場合があります
可能な支払い方法
現金・クレジットカード・電子マネー
駐車場
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。
内容は2026年07月時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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