桜島を望む「長島美術館」で、ロダンや黒田清輝、薩摩焼など多彩なコレクションを観賞

桜島を望む「長島美術館」で、ロダンや黒田清輝、薩摩焼など多彩なコレクションを観賞
TRIP
#⿅児島中央駅周辺
#アート #カフェ #ランチ #学ぶ #家族・子ども #教育 #歴史

桜島を望む絶景と約1,000点の美術品が魅力

※館内や作品は、特別に許可をとって撮影しています

錦江湾と雄大な桜島、鹿児島市街地を一望できる「長島美術館」は、1989年に開館し、地域文化の発展への貢献を目的として設立されました。館内には、長島企業グループの創業者・長島公佑(ながしま こうすけ)氏が長年にわたり収集した美術品が展示される美術館です。
館内の1階フロアと地階ホールには7つの展示室があり、鹿児島ゆかりの作家から海外の作家による絵画や彫刻、ガラス美術品、土器、薩摩焼など約1,000点が展示しています。

受付を済ませ中に入ると、1階ロビーでは世界的に有名な彫刻家オーギュスト・ロダンの代表作『考える人』を間近で鑑賞できます。同館に展示されている『考える人』は、ロダンが生前に監修して制作された貴重な作品です。

☆「考える人」と同じポーズをしてみよう!
作品の前に置かれた椅子に座って、「考える人」と同じポーズに挑戦してみてください。肘はどこについているのか、背筋はどのように伸びているのか。作品をよく観察しながら再現してみると、体幹や肩に意外と力が入ることに気づくはず。

【第1展示室】「日本近代洋画の父」黒田清輝をはじめ、鹿児島ゆかりの画家たち

※特別に許可を経て撮影しています

第1展示室では、鹿児島ゆかりの近代洋画家たちの作品を中心に展示しています。
鹿児島市出身の画家・黒田清輝(くろだ せいき)は、フランス留学で外光派から学び、自然光のもとで制作する外光表現を日本に取り入れた「日本近代洋画の父」。写実主義の普及にも尽力し、日本洋画界の発展に貢献した画家です。代表作は国の重要文化財に指定される『湖畔』。同館では、黒色を使わず茶色などで濃淡を表現した『夏草』が展示されています。

▲黒田清輝『夏草』(1911年作)

また、黒田清輝の指導を受けた藤島武二(ふじしま たけじ)の作品も展示。豊かな色彩と優美な表現で知られ、日本近代洋画を代表する画家の一人です。

さらに、黒田や藤島とともに「鹿児島近代洋画三巨匠」に数えられる和田英作(わだ えいさく)の作品も鑑賞できます。東京美術学校で黒田に学び、写実的な表現と穏やかな画風で高い評価を得ました。和田は「バラ富士太郎」と呼ばれるほど数多くのバラの静物画を残しており、その作品の一つを見ることができます。

▲和田英作の作品が展示 

そのほか、磁器のような白い肌と甘美でモダンな世界観から「青児美人(せいじびじん)」で知られる東郷青児(とうごう せいじ)の『バラ一輪』(1963年)や、「エビハラブルー」と呼ばれる鮮やかな青色を生かした海老原喜之助(えびはら きのすけ)の『北極』など、鹿児島ゆかりの作家による絵画約30点を展示しています。

【第2展示室】印象派からエコール・ド・パリまで世界の名画を鑑賞

第展示室では、海外を代表する画家や彫刻家たちの作品約30点を展示しています。
印象派の巨匠として知られるオーギュスト・ルノワールのクレヨン画に加え、20世紀前半のフランス・パリで活躍した「エコール・ド・パリ」を代表する画家たちの作品も見どころです。マリー・ローランサンの『女王』(1935年)をはじめ、アメデオ・モディリアーニやレオナール・フジタ(藤田嗣治)、モーリス・ユトリロなど、多彩な作家の作品を鑑賞できます。

さらに、マルク・シャガールやベルナール・ビュッフェなど、20世紀を代表する画家たちの作品も展示。印象派からエコール・ド・パリ、戦後美術まで、多彩な作品に触れられる見応えのある展示室です。

【第3展示室】ガレやドーム兄弟のうつくしいガラス美術品を展示

第3展示室では、アール・ヌーヴォーのガラス作品が展示されています。エミール・ガレやドーム兄弟による自然や動植物をモチーフにした、流れるような曲線の表現が特徴のガラス美術品。見どころは、光によって浮かび上がる美しい色彩と陰影です。色の異なるガラスを何層にも重ね、酸や研磨によって模様を彫り出す技法により、繊細なグラデーションや幻想的な表現を生み出しています。

【第4展示室】古代アンデス文明の出土品約140点を展示

第4展示室では、南米のアンデス地方で栄えた古代文明の出土品約140点を展示しています。土偶や土器、織物、装飾品などを通して、古代アンデスの人々の暮らしや文化に触れることができます。

古代アンデス地方では、時代ごとに特色の異なる文化が育まれました。そのなかで織物や土器の技術は次の時代へと受け継がれ、独自の発展を遂げています。展示室には、思わず目を引くユニークな表情や姿をした土偶も。古代アンデスの人々の暮らしや信仰、豊かな創造力を感じることができます。

【第5展示室】【第6展示室】華やかな白薩摩と素朴な黒薩摩の魅力に触れる

▲白薩摩が展示される第5展示室 
▲黒薩摩が展示される第6展示室

第5・第6展示室では、鹿児島を代表する伝統工芸・薩摩焼を展示しています。第5展示室には、白く繊細な肌合いと金襴手や錦手による華やかな装飾が特徴の「白薩摩」を約200点展示。コレクションの多くは、一度海外へ輸出された後に日本へ戻ってきた品で、その豪華絢爛な美しさは見応えがあります。

第6展示室では、黒褐色の素朴な風合いが特徴の「黒薩摩」を約400点展示。古くから日用品として親しまれてきた器の数々から、用と美を兼ね備えた薩摩焼の魅力を感じることができます。苗代川窯、龍門司窯、平佐窯など、窯ごとの特色を見比べながら鑑賞できるのも見どころです。

【第7展示室】3ヵ月ごとで変わる企画展を開催

第7展示室では、収蔵コレクションの中から特定の作家に焦点を当てた企画展や、現在活躍するアーティスト・作家による企画展を開催しています。企画内容は約3カ月ごとに入れ替わり、取材時には「シャガール版画展 サーカス」が開催されていました。
2026年7月18日~9月13日は、はり絵、はり子、消しゴムはんこ作品を手がける「横手順子のてしごと空間」を開催。夏休み期間中、子どもから大人まで楽しめる展示となっています。 開催中の企画展については、公式サイトで確認してください。
https://www.ngp.jp/nagashima-museum/entry2.html

芸術鑑賞のあとは景色とグルメを満喫

▲パスタは、「きのこのチーズクリームソースパスタ」と「彩り野菜のカポナータソースパスタ」2種類。写真は、「彩り野菜のカポナータソースパスタ」(わかめスープ付き)

喫茶室も併設されており、美しい景色を眺めながらゆったりとした時間を過ごせるのも魅力です。喫茶室では、スイーツやドリンクはもちろん、パスタとピザが楽しめます。

鹿児島ゆかりの作家による絵画から海外の名画、ガラス美術品、アンデス文明の出土品、薩摩焼と多彩なコレクションが楽しめる「長島美術館」。展示作品を鑑賞したあとは、桜島や鹿児島市街地を望む庭園を散策したり、喫茶室でゆっくり過ごしたりするのもおすすめです。芸術と景色の両方を満喫できる長島美術館へ、ぜひ足を運んでみてください。

INFORMATION

長島美術館

住所
鹿児島県鹿児島市武3-42-18
電話番号
099-250-5400
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
※元日は開館時間が変更になる場合があります

【喫茶室】
11:30~16:00(L.O.15:30)
※定休日は美術館休館日に準ずる
休館日
毎週火曜
※祝日の場合は翌平日
※特別企画展・その他の企画展の期間は無休で開館する場合があります
入館料
一般 1,000円
高校生・大学生 800円
小学生・中学生 400円
シニア(65歳以上)500円
※団体料金、障がい者割引はホームページで確認を
※常設展観覧料、特別企画展が開催されている場合は別途料金がかかることがあります
可能な支払い方法
現金・クレジットカード・電子マネー
駐車場
本記事はライターが取材・校正を行った上で作成した記事です。
内容は2026年06月時点の情報のため、最新の情報とは異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
※可能な支払い方法にある電子マネーにはQRコード決済も含みます。
あちこちのホームページ上の画像・⽂章などはすべて著作物です。無断転載を禁じます。

follow me

SNSでも最新情報を発信中!