鹿児島中央駅から車で約40分、姶良小学校から徒歩1分圏内にある「御菓子司 あじ福」は、創業49年目になる和菓子店です。
お祖父さまは和菓子職人、お父さまは洋菓子とパンの職人で、幼少期からお菓子作りに触れていた3代目店主の岩川さん。高校卒業後に和菓子の道に進み、約7年間の修行を経て、2008年に家業を継ぎました。
季節を味わう和菓子の数々。シンプルながらこだわりある定番商品も
店内のショーケースには、季節を感じられるものから、定番のものまで、多種多様な和菓子がならびます。
内容は月ごとに変わり、これらはすべて岩川さんがつくったもの。
今回はその中から5種類をご紹介します。
「なでしこ」
6月から咲きはじめる、ピンク色の可愛らしい花、撫子をモチーフにした「なでしこ」。白あんに自然薯を混ぜた、ねりきり生地でできています。中には口当たりなめらかな黒こしあんが入っていますよ。
「雨あがり」
梅雨の晴れ間に見られる虹を表現した「雨あがり」は、溶けるような食感が魅力。カラフルな虹の部分は上がり羊羹で、雲の部分はふんわりとしたかるかんでできています。
「紫陽花」
白あんに水色と紫のグラデーションをつけた、かわいらしい「紫陽花」。中には小豆の存在感がしっかりとした黒つぶあんが入っています。雨粒を表した透明の寒天も美しく、細部まで楽しめます。
「どら焼き」
一番人気の「どら焼き」は定番の商品です。生地に醤油が練りこまれていて、香ばしい味わいが魅力。
中に入っている黒つぶあんは、あっさりとした甘さで、くどくならずにさっぱりとしています。
「若鮎」
夏の訪れを感じさせる「若鮎」は、もちっとした食感と優しい甘さの求肥(ぎゅうひ)をふわっと焼き上げたカステラ生地で包んだお菓子です。つぶらな瞳が愛らしい。
家族の団らんにも、自分へのご褒美にもぴったりな和菓子を気軽に楽しんで
「〝和菓子屋さん〟というと、なんとなく敷居が高いところだと思われがちですが、自分用に1つお菓子を買うために来てもいいんです。気軽に訪れてほしいですね。」とにこやかに語る岩川さんは、15年ほど前から、若い世代に少しでも和菓子を身近に感じてもらいたいという思いで、姶良小学校での和菓子教室を開いています。
「子どもたちの自由な発想で和菓子をつくるという体験を通して、和菓子に触れるきっかけになればいいなと思います。そしてゆくゆくは〝和菓子ファン〟になってくれたら嬉しいです。」と教えてくれました。
目で見て、食べて、季節を感じて楽しめる日本の伝統的な和菓子は、家族の団欒にも、自分へのご褒美にもぴったりです。ぜひ、気軽に立ち寄って、手に取ってみて。