中山町の隠れた名店。鮮度抜群のうなぎと滋味深い料理に舌鼓

鹿児島市街地から谷山方面へ車でおよそ30分。のどかな風景が広がる鹿児島市中山町に「うなぎ四季彩 藤井」があります。この街は昔ながらの田畑や木立が残る一方で、区画整備も進み、新しい道路や住宅も次々に整いつつあるエリアです。


「うなぎ四季彩 藤井」の料理を手がけるのは、日本料理で腕を磨いてきた店主・藤井幹久さん。
『ただお腹を満たすだけでなく、心まで満たす料理を作りたい』との思いで、手間を惜しまぬ丁寧な仕込みで、全ての料理を一人で仕上げています。素材に向き合う姿勢、細やかな手仕事、そして妥協のない味づくり。一皿一皿に、真心と誠実さが込められています。

かば焼きは、火加減、脂ののり、ウナギの身の締まりなどを見極めながら、炭火で一気に仕上げていきます。タレにくぐらせる回数も、脂の状態によって細やかに調整し、最もおいしい瞬間を引き出します。
「ウナギは大隅の養鰻場から仕入れて、店の裏にある井戸水で生かしているんです。毎朝、その日に使う分だけをさばいています」と穏やかに語る藤井さん。
素材の力と鮮度へのこだわりがあるからこそ、極上の蒲焼きが生まれます。

味の変化を三度楽しめる、贅沢な味わいの「ひつまぶし」
同店には地域柄、近隣に暮らす高齢の方から若い子育て世代まで、幅広い世代が訪れます。そのため、ウナギは〝誰もが食べやすいこと〟を大切に、一度蒸してから焼き上げる〝ふっくら柔らかな食感〟に仕上がる関東風の調理法で提供しています。

一番人気は、三つの食べ方で味の変化を楽しめる「ひつまぶし」。取材時は、肝吸いや酢の物なども付いた「ひつまぶし(松)」をいただきました。


1杯目はそのままで。
炭火焼き特有の香ばしさにも食欲がそそられます。かば焼きはふっくらとしつつ、皮はパリッとしてご飯がどんどん進みます。ウナギのすぐ下には、海苔も敷き詰められています。
ご飯は鹿児島県産米を2種ブレンドしたもの。やわらかすぎず硬すぎず、絶妙な炊き加減です。
2杯目は薬味を添えて。
爽やかな香りがふわりと立ち、うなぎの甘みをより一層引き立ててくれます。

そして3杯目は、あたたかな「出汁(だし)」をたっぷりと注ぎ、お茶漬け風で。タレとのバランスも良く、濃すぎず淡すぎず。口いっぱいに優しいうま味が広がり、最後のひと口までおいしくいただきました。

肝吸いは、枕崎産のかつお節と北海道産の昆布から丁寧に引いた出汁を使用。季節の食材を使った具材も魅力のひとつです。この日は、タケノコを混ぜ込んだホタテのつみれ入りでした。秋にはカボチャ、冬にはフグの皮を混ぜた真薯(しんじょ)なども登場するそうです。
ウナギの肝が苦手な方には、肝抜きの肝吸いを100円引きで提供しています。
「ひつまぶし」は、お茶碗にたっぷり3杯以上はあるボリューム。松・竹・梅の3種類があり、吸い物や香の物が付いて2,650円~楽しめます。
香り高く風味格別!高知県仁淀川の清流で育まれる山椒

ひつまぶしに欠かせない「山椒」。藤井さんが色と香りで選び抜いたという逸品は、高知県・仁淀川の清流沿いで栽培されたものです。市販とは一線を画す、鮮やかな色と爽やかで深みのある風味。口に運んだ瞬間、驚きますよ!
1日限定10食。昨年から販売「志ら焼き重」も人気!


定番の「鰻重」(香物・肝吸付き/税込3,600円~)に加えて、昨年から登場した新たな人気メニュー「志ら焼き重」も見逃せません。
「志ら焼き重」は、タレを使わず、沖縄の天然塩を全体にまぶし、日本酒と醤油で風味づけをして焼き上げた一品です。手作りのポン酢や醤油を添えていただくと、塩焼きならではのうま味が引き立ちます。1日10食限定なので、確実に味わいたい方は予約がお勧めです。

また、ウナギ好きにはたまらない一品として「うざく」もお勧め。かば焼きと、シャキシャキのキュウリ、そこに自家製ポン酢が絶妙なバランスで絡み合います。さっぱりとしながらも、うなぎの濃厚な味わいをしっかりと感じられる一皿です。
自家製のポン酢は、鹿児島の醤油に生搾りのダイダイ酢を合わせ、鰹節と昆布を加えて1週間以上寝かせたもの。まろやかな酸味と、上品な風味が特徴です。
「ひつまぶし」や「鰻弁当」はテイクアウトもできます。1個から注文OKなので、気軽に問い合わせてみてください。
(※仕込みが無くなり次第終了となります)
日常のごちそう時間にぴったり。誰もがくつろげる和の空間
店内は、凛とした落ち着いた佇まい。お一人様やご夫婦での〝ちょっと贅沢なひととき〟にぴったりです。さらに店の奥には、掘りごたつの座敷席も設けられています。このスペースはブラインドを下ろせば簡易個室として使えるので、小さな子ども連れでも周囲に気兼ねすることなく、ゆっくりと食事を楽しめます。
また、子ども向けにはうどんやハンバーグなどを盛り込んだ「お子様セット」も用意。ウナギがまだ苦手な子どもも一緒に、みんなでおいしい時間を楽しめます。

「夏はウナギ料理が中心ですが、10月下旬頃からは北海道産の生のすじこを使ったイクラ丼も提供します。冬は黒豚やさつま鶏を使った鍋物や、黒毛和牛のすき焼きも…」と藤井さん。
日本料理の修業を積んできた店主だからこそ生み出せる、四季折々の趣向を凝らしたメニューにも注目です。季節のメニューは、インスタグラムにアップされるので、ぜひチェックして出かけてみて。
うなぎ四季彩 藤井
- 住所
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鹿児島県鹿児島市中山町2141-1
- 電話番号
- 099-297-6848
- 営業時間
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11:30~15:00(LO14:30)
17:30〜20:30(LO19:30) - 定休日
-
火曜夜、水曜
※6月~9月は水曜のみ定休日 - 可能な支払い方法
- 現金・クレジット・電子マネー
- 駐車場
- 有
- @unagi_sikisai