鹿児島市内より車で約25分、JR上伊集院駅より徒歩4分の場所に、灯りに関わる暮らしの雑貨店「灯りと暮らし」があります。キャンドルアーティスト田渕尚子さんのお店です。落ち着いた空間の店内には、田渕さんの「蝋燭工房 庭常」の作品はもちろん、他県で活躍するアーティストのキャンドルや、お香などがならびます。
桜島の灰の陰影が美しいキャンドル「灰シリーズ」
田渕さんは結婚を機に、ご主人の出身である鹿児島に惹かれ、その後2019年に鹿児島へ移住しました。「鹿児島に初めて来たとき、火山灰が降っても普通に暮らす光景に驚きました。大隅半島から見た桜島の景色も素敵で、それから桜島を好きに」
鹿児島に住んでからは、何度も桜島も行くようになったといいます。そこから〝桜島〟を表現した作品がうまれました。それが、桜島の火山灰を使った「灰シリーズ」です。
◆桜島の大地の一部分をきりとった、四季を感じるキャンドル「kiritoru」
通うたびに違う表情がある桜島の自然「大地」を〝きりとり〟キャンドルで表現する「kiritoru」は、岩や土の質感を感じる山肌や、そこに生える苔の様子など、四季を感じる作品です。
このときは、苔が茶に変色した〝秋〟、積もった雪が溶けはじめる〝冬の終わり〟を感じるものが置いてありました。正方形で厚みのある形状は、まるで地層のよう。灯をともすと赤い炎がマグマのようで、大地の生命力を感じます。
溶ける箇所が違ったり、小さなドライフラワーが飾れたり、作品によって異なるのもこの作品の魅力です。
◆自然がうみだす桜島の軽石を表現したキャンドル「ishi」
一般社団法人日本キャンドル協会主催の「Japan Candle artist award(JCAA)」で準グランプリを受賞した「ishi」は、軽石の大小さまざまな気孔や溝、形状が表現されたキャンドルです。
本来キャンドルは専用の顔料や染料で色をつけますが、より本物の色合いをだすため4種類の蝋と桜島の灰を使っています。軽石の魅力でもある個性ある形状は、シリコンで桜島の軽石を型取り表現しています。灯をともすと、内に蝋が落ちていくもの、外にながれるものと、溶けかたもそれぞれで異なり、自然な形状だからこその面白さがある作品です。
その他にも「灰シリーズ」には、美しい灰の陰影をぞんぶんに楽しむことのできる「ash candle」や、灯りをともすと三日月のように溶けていく「ash candle disk」、三日月・半月・満月をひとつで表現した「満ち欠けの月」などの作品もあります。
植物や木材で装飾されたキャンドルや、香りつきのキャンドルも
フランスの蚤の市で見つけた一輪挿しが可愛くて、それを型取りつくる「ichirinzashi」は香りのついたキャンドル。曲線の内にはいった部分の溶けかたが魅力的な作品です。
鹿児島県産のベチバーの根をキャンドルのまわりに装飾し、内側に天然精油を入れた「grounding」、鹿児島県産楠木のおがくずでキャンドルを装飾したシンプルなデザインの「ogaguzu」も。灯をともすと、まわりの装飾はそのままに、筒状に溶けていきます。最後まで溶けてしまっても、中に小さなティーライトキャンドルをいれて楽しむこともできます。また、多肉植物を植えたり、ドライフラワーを飾ったり、ペンたてにしても素敵です。
華やかでレトロなキャンドルの催しもの「花蝋すくい」
大阪府堺市のレトロな雰囲気を味わえる綾之町東商店街にあるドライフラワーと古道具の八花堂さんと蝋燭工房 庭常のコラボ企画「花蝋すくい」。イベント出店の催しものとして始めました。水にうかんだ色鮮やかなキャンドルと花を、ポイですくうものです。
透明でやわらかなキャンドルは、自宅で灯りをともし、楽しむことができます。
鹿児島県内のイベントだけでなく、大阪など県外のイベントでも出店しています。
「灯りと暮らし」の営業日と時間、イベント出店情報はInstagramでチェックしてみて。また、事前の予約でキャンドルを作るワークショップはもちろん、キャンドルアーティストを目指す人にもレッスンを行っています。
どれもオシャレなキャンドルで、初めは蝋が溶けることを、もったいなく感じるかもしれません。ですが、キャンドルは、灯りをともしたときがいちばん美しく、蝋の溶けるさまが魅力なのだと田渕さんはいいます。その蝋の溶けかたを暮らの楽しみのひとつとして、とりいれてみるのも素敵ですね。
お気に入りのキャンドルをみつけに、ぜひ「灯りと暮らし」におでかけしてみて。
灯りと暮らし
- 住所
- 鹿児島市上谷口町1611-1プランドール松元1F
- 営業日
- Instagramで確認してください
- 営業時間
- Instagramで確認してください
- 可能な支払い方法
- 現金・クレジットカード・電子マネー
- 駐車場
- 有(2台)
- 灯りと暮らしInstagram
- @akari_to_kurashi
- 蝋燭工房庭常Instagram
- @atelier_niwatoco
- Litlink
- https://lit.link/atelierniwatoco